米中貿易摩擦問題が解消されず、英のEU離脱は期日を延期し続け袋小路のような状況になっている中、市場全体に全く方向感が出てきません。参加者もだいぶ減っているということで、その薄さが通貨のボラティリティにもそのまま表れてしまっている状況です。
月間の変動率を見ると、ドル円、ユーロ円、ユーロドルは0・9%、オセアニア通貨が約1・5%、ポンド円が1・9%となっていますが、値動きもほぼ1円幅でポンド円だけが2・8円ある程度で、とにかく手出しをしても利益が出辛い展開が続いています。
その中でトレンドがしっかり出ている通貨ペアが「為替ばんざい」(※会員向けレポート内コラムのため、当ホームページに掲載はございません。)でも取り上げた豪ドル/NZドルです。豪ドル売りが反転上昇で豪ドル買い、NZドル売りがきれいな右上がりチャートになっています。これは微小の金利差があり、豪ドルを買ってもスワップ支払いになるケースですから、その点は念頭に置いておいて下さい。
ボラティリティが出ないまま、来週になると日本はそろそろ10連休を意識したポジションの調整が入ってくる可能性が高まりますので、ここからはリスクを取りにいくよりも、リスクオフの動きに警戒してその流れが出た時には短期で乗って見ていきたいと思います。
そして4月後半の経済指標と10日間の連休に注意をしたいのが豪ドルです。
5月18日に総選挙が決まった豪は、6年ぶりの政権交代が予想されています。その前にRBAがありますが、今は選挙前なので特段行動は起こさないだろうと思っています。前回の政権交代は2013年9月でした。この直前の8月には利下げを実施していますが、当月は据え置きとなりました。その前の自由党から労働党への政権交代となったのは2007年です。選挙が11月24日、新政権発足は12月初旬ですが、この時は選挙直前の11月RBA会合で25bpの利上げを実施し、12月は据え置きとしています。2007年は景気がまだ強い過程でしたから利上げに異を唱えることもありませんでしたが、今回の利下げは景気減速を示すことになるので、今は行動しないと思っています。
ただ、4月後半は四半期に一度のCPIなどが発表される時期でもありますので、その辺りは今後を織り込みに行く材料になりますので要注意。これについては来週のコラムでも引き続き取り上げます。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・加筆しております。