今週18-19日に行われた米FOMCで利下げスタンスが明示されたことを受けて、円高基調が止まりません。米債は2016年11月以来の利回り低下になっています。対して米株は利下げ思惑で上昇し、米中首脳会談が行われることもプラス材料になって、海外はほぼ全面高の様相ですが、円高が足を引っ張り日本株だけは鈍い動きになっています。今週の終値は2万1258円、204円安、約1%の値下がりになりました。この円高の流れは、もうしばらく続きそうです。
今現在、7月FOMCでの利下げ確率がかなり高まっていますが、その確率を大きく動かすのは7月5日に発表される6月の雇用統計の数字次第になると思います。現在のアメリカの失業率は3・6%でITバブルをしのぐ低水準になっています。これが大きく悪化したり、NFPが前回の7・5万人をさらに下回ってくるようだと、利下げ思惑でドルは一段の売りが懸念されます。ただ、雇用が一旦回復を見せる数字だと、米株価も史上最高値近辺にあるわけですし、もう少しファンダメンタルズの結果を見越して9月の利下げという流れの方が現実的になるのではないかと思われます。
6月に入って鈍化傾向がみられた指標は
米 5月ISM製造業景況指数 52・1で2016年10月以来の低水準
日 5月景気ウォッチャー現状DI 44・1で2016年6月以来の低水準
米 6月NY連銀景況指数 -8・6で2016年10月以来の低水準
米 6月フィリー指数 0・3で2016年以来2番目の低水準(2月に-4・1)
景気の先行指標となるような指標の悪化が目立ちます。雇用統計は本来遅行指標と言われますが、製造業が悪化しているとなると、雇用等の悪化がかなり懸念されます。来週のG20での貿易不透明の多少なりともの解消期待の相場から、次はいよいよ夏相場、雇用統計に向けた警戒局面と移り変わっていきます。口先介入等も出てきていますので、ポジションは短く回していきたいです。
※こちらのコラムは当ホームページ向けの書き下ろしとなります。
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