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米中の陰でドイツの景気減速に注意2019.08.16

世界経済は米中対立の陰に、双方の対応や発言に一喜一憂し、悲観と楽観を繰り返す局面が繰り返されており、テクニカル指標などを判断材料にしづらい地合いが続きます。また、世界全体的に景気減速が懸念されていますから、ここはファンダメンタルズに注視ですね。

米中のリスクオン・オフや英国のEUから合意なき離脱問題に目線がいきがちですが、じりじりと景気減速が深刻になってきているのが欧州の雄・ドイツです。ドイツの主要株価指数DAXを見ると、ピークは2016年1月の13596ポイントで、その後は下落に転じ、2018年12月には10279まで24%下落して持ち直してはいますが、米やフランスの株価指数が高止まりにしているのに対し、ドイツは明らかな減速チャートです。

ドイツの経済指標を見ると、6月の鉱工業生産は-5・2%、10年ぶりの減速。8月ZEW景気予測指数は予想-28・0に対し、結果は-44・1、前月の-24・5からも大幅に減速し、欧州債務危機の頃の2011年12月以来の最低水準、独10年債は-0・6%台へ下落しました。

そして14日に発表された4-6月GDPは大方の予想通りの減速となり、前期比-0・1%で3四半期(2018年7-9月)ぶりのマイナス成長となりました。貿易戦争や外需の減少で輸出が減速したことが要因です。次期7-9月が連続してマイナス成長となると、リセッション入りとなります。ドイツの経済相は「景気後退入りは避けられる」とするものの、貿易戦争は悪化を辿るばかりですし、10月末には英国のEU離脱も控えていることから、外需の拡大は見込みづらく、瀬戸際感が感じられます。

このドイツGDPの結果を受けて、14日の欧米市場は再びリスクオフが強まり、NYダウは今年最大の下落となる800ドル安となりました。次期同じくして香港情勢が予断を許さない状況になっているだけに、グローバル経済への懸念が強まる状況です。

ECBの専務理事兼首席エコノミストのレーン・フィンランド中銀総裁は「9月に大規模緩和を実施する必要がある」と発言し、ユーロ売りが強まりました。緩和でなんとか欧州全体を支えられるのかどうか、見極めの秋になりそうですね。

さて、来週は21日に日中韓外相会議(北京)、日米貿易交渉(ワシントン)、22日からはジャクソンホール会合で、23日の日本時間23時にはパウエル議長の講演が予定されています。今回のジャクソンホールのテーマは「金融政策における課題」、興味深いです。そしてG7(仏・ビアリッツ)が控えています。週後半は為替・経済ニュース報道に一層注意して下さい。

※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・加筆しております。

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