製造業の景況感2019.10.04

10月1日に発表された、アメリカの9月ISM製造業指数が好悪分岐点の50を大きく下回り、47・8(前月は49・1)だったことを受けて、米経済への不安感が台頭しました。2009年6月以来の低水準です。リーマンショックの金融危機から約1年、その頃のアメリカの政策金利は、既に過去最低の0・00-0・25%まで引き下げられており、QE1(2008年11月~2010年6月)も始まっていた頃でした。その時以来の低水準を記録した今回のISMの数値は非常にネガティブインパクトがありました。

この指標の詳細を見ると、特に著しい減速となっているのが「新規輸出受注」の41・0です。前月が43・3でこれも悪かったですが、今回はそれをまた大きく下回ってきました。

近年の新規輸出受注を見ると、2018年2月には62・8という高水準があり、その後も50台後半で軒並み推移していました。それが18年10月、ちょうど米中通商交渉が非常に厳しくなってきたことから50台前半まで減速し、今年4月には好悪分岐点の50を割り、そして今回の41・0という数字まで綺麗に右下がりで減速してきました。

この製造業の減速についてトランプ大統領は「ドル高のせいだ」とFRB批判を繰り返していますが、13億人の人口を抱える中国からの受注を制限しているわけですから、新規輸出受注が増加するわけはありませんね。総合値は上下のブレもありますが、この新規輸出受注の推移は来月以降も気をつけて見ていきたいと思います。

さて、では一方の当事国の中国はというと、国家統計局が発表した9月製造業PMIは49・8に対し、民間の財新が発表したのは51・4と想像以上の好結果で2018年2月(51・6)以来1年7ヵ月ぶりの高水準となりました。

いよいよ来週は米中閣僚級会合、そろそろ何らかの進展に期待したいところですが、双方から好悪発言が出ますからそれに影響されないよう、少し幅の広いレンジでの取引を意識したいと思います。

※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。

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