ドル買いの流れ強まる2020.03.13

 今週はドル円が週明けにギャップダウンして始まりました。ドル円は火曜日にはギャップをいったん埋めましたが、その他クロス円は埋められずにずる下げの動きになっています。

 コロナウイルス問題による経済減速が急ピッチで深刻度を増してきている中、各国政府・中銀による素早い行動が相次いでいます。

 直近で特にサプライズだったのが11日の英中銀です。日本時間の16時に緊急で25bpの利下げを発表し、その後夜には政府が総額300億英ポンドの景気対策を打ち出しました。英中銀は3月16日に次期総裁が就任するというエアポケット状態でしたが、このタイミングで政府と強調して利下げと景気対策を同時にやってくるというのは非常に驚きのタイミングであるとともに、景気減速の深刻さが非常に浮き彫りになっています。同日観光依存の高いアイスランド中銀も50bpの利下げを決定、12日には豪政府が176億豪ドルの景気刺激策を公表しました。日本も4月には新しい予算を公表するとしていますが、詳細はともかく総額や規模などの概要を月内には示唆する必要性が出てくるのではないかとマーケットの催促が予想されます。

 それから米大統領選挙に向けての見方も大きく変わりそうです。これまではトランプ大統領続投の既定路線が強かったですが、11年続いたマーケットがベア入りしたことが確認され、コロナウイルスの感染者も日々増えている中、安定した手腕が求められるという雰囲気が強まる可能性が指摘されています。今のところ民主党候補指名に一番近いバイデン元副大統領への支持が一層強まる可能性もありそうです。

 さて、日本時間の12日にトランプ大統領が行ったコロナウイルス問題への対策を踏まえた演説の中で「13日から欧州から米国への渡航を30日間停止する」という措置を決定したことで、円高ドル売り、ユーロ高、ドイツ株価の先物急落という動きになり、その後欧州への事前の告知も無かったこと、ECBが利下げを見送りを決定したこと、ラガルドECB総裁の実質デビュー戦というところで「金利スプレッドを縮めるためにここにいるわけではない」という失言など、何が出てもマイナスに作用する状況となり、NYダウは1987年10月のブラックマンデーに次ぐ下落幅となるなど、混乱が落ち着きません。

 各国中銀が金融政策を変更しても足りない、しないと催促、そして結局は(大規模)財政出動待ちの流れが日々強まっています。為替相場は有事のドル買いともいうべきドルが買われる流れになっていますので、クロス円よりはドル円、ドルストレート、且ついきなり流れが大きく変わることが続くのであまり狙わずに。来週は17日にフロリダの予備選(代議員219)、FOMC、日銀とイベントが続きます。

 ※こちらのコラムは毎週木曜日時点で執筆した会員向けレポートを抜粋(加筆)しております。

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