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ドルの次の動きは米中や欧州との関税問題、地政学的リスク2020.06.26

 2020年もあっという間に半分が終わりました。その半分はコロナ禍で経済・政治スケジュールが止まっていましたが、後半は感染第二波とせめぎあいつつ、今年前半を取り戻す動きが各所で見られると期待します。

 政治面では、秋には選挙が本番です。10月初旬に国慶節休暇を迎える中国は、選挙はありませんが、習近平政権が盤石とはいえない状況。李克強首相の間にすれ違いがかなり生じているという話ですから、真夏の北戴河会議から秋にかけては中国マークを強めたい時期です。

 NZは9月19日に総選挙を控えていますが、現職のアーダーン首相が国民から圧倒的支持を受けているのでこちらは盤石と思います。

 そして11月3日の米大統領選挙です。24日にNYタイムズが報じた最新の世論調査を見ると、民主党バイデン候補の支持率が50%に達しているのに対し、トランプ大統領は38%と大きく水をあけています。さらに全米で再び感染者が増大してきたことで、24日のNY株は再び大きく下げる動きになり、金利も低下、このところ低調だったドルがリスクオフで買い戻される動きになりました。

 ドル円の月足のチャートを見てみると、2015年につけた125円の高値以降、ずっと高値を切り下げる右下がりのレジスタンスラインが機能しています。一時的に上ヒゲが抜けることもありますが、実体として抜いていく未だの動きにはなりません。昨年は110円前後が心地良い水準として長く推移していたものが、今年は107円前後となっていますから、高値が切り下げらえて水準が徐々に低下していることが分かります。

 また104円ミドルには下値の強い節目が存在しています。今年は一時的に101円まで下がるところがありましたが、この数年のトレンドを見ていると、下値のめどは104円、これを抜けてくると大きくドル円相場も形が変わってくると思われ、ここで止められればボラティリティの薄い相場展開が今しばらく続いていく可能性が高まります。

 ドル円相場の近年の変動幅は非常に小動きで、2017年の年間変動幅は11.29、2018年は9.96、2019年に至っては8.10です。今年は、高値が112.22、安値が101.17ですでに11.05ほど動いていますが、直近の大波乱相場であった2008年・リーマンショックの年の変動幅は24.75、翌2009年が16.64ですから、株価に比べてドル円相場が全く動いていないことがよく分かります。

 ドル円相場にとって再び動意となるのは、コロナよりも貿易問題や地政学的リスクの高まりではないかと思いますので、中国の動きは欧州への追加関税問題などに目を向けておきます。

 ※こちらのコラムは毎週木曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。

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