追加緩和匂わせ発言続く2020.10.16

 大統領選挙がいよいよ目前に迫る中、金融市場では「模様眺め」が一段と強まっています。新型コロナによる景気後退後の大統領選挙ですが、現職のトランプが劣勢と報じられる中、レームダック不安も台頭して動き辛い展開です。

 これは市場参加者に限らず、各国の経済・財政を担う要人にとっても同様です。夏までの状況だと思ったよりも回復は早い、傷は浅いといったような見方が増えていましたが、秋にきて新型コロナの感染者は再び欧州各国で拡大しており、そこへきてアメリカの政治が大きく変わるかもしれないという不安も強まっていることから、場合によってはさらなる追加対策を講じる必要性が求められます。

 市場の不安はこれだけではありません。英国の欧州の通商交渉が暗雲です。昨年も散々見たワードですが「合意なしへの準備」が再来しています。メルケル首相もノーディールに備える必要があると発言し、通商交渉の成り行きへの不安が頭をもたげます。

 こうした先行き不透明感が強まる中、ホクスビーRBNZ総裁補は「NZのマイナス金利導入は現実にあり得ることであり、脅しではない」と発言。翌日にはロウRBA総裁が「(現在0.25%の)政策金利を0.1%へ引き下げる可能性がある。国債買い入れプログラムのメリットを検討している」と追加緩和を強く示唆する発言が出たため、豪市場は株買い、豪ドル売りで反応しました。豪は直近で中国が豪産石炭の輸入を停止するという報道もあり、慎重な姿勢が続きそうです。

 こうした中、主役通貨である米ドルは105円台で膠着しています。大統領選挙が間近になると、瞬発的な売りや買いが出てきそうですが、ここは手出しせず様子見か。

 それよりも模様眺めが続くようだと、新型コロナによる行動の再制限が強まっている欧州通貨を戻り売りで狙っていきたいところです。現在対円で123.54の水準で21日線を割り込み、90日線に達したところです。通商交渉や経済の再減速で買い余地はありません。ユーロ売りスタンスです。通商交渉を材料にするなら主役通貨はユーロポンドですが、これはもう少し交渉が煮詰まってから短期トレード、方向性が決まったらスウィングで参入かと考えています。

※こちらのコラムは毎週木曜日時点で執筆した会員向けレポートより加筆・修正しております。

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