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トルコ、新中銀総裁の下で利上げへ2020.11.20

 11月6日、103.17まで円高が進んでいたドル円ですが、週明け9日には米ファイザー社の開発している新型コロナワクチンの有効性が高いことが報じられ、世界中の株価が上昇に転じ、ドル円相場も一気に105円台まで急騰するリスクオン相場でした。

 その後は米モデルナ社のワクチンも有効性が高く、早期に認可取得予定と報じられるなど、留まることを知らない新型コロナの深刻な不安からの脱出の兆しが見えてきていましたが、一方で欧米や日本でも感染者数が増加していることを背景に、地合いはリスクオフへ、ドル円相場は再び値を消して103円台に入ってきました。この後来週アメリカは感謝祭休暇に入りますので、12月初旬には感染者数がさらに急増する可能性を指摘されていますから、ドルもさらに下値を探る可能性が高いと思われます。

 リスクオンとオフが日々入れ替わり、常に大きなテーマが「コロナ」の中で、やはり安定した通貨が崩れにくい傾向が見て取れます。先週も取り上げたNZドルですが、11月9日のファイザーのワクチンによるリスクオン相場で対円で急騰しましたが、その後の相場でも高止まりになっており崩れていません。先のドル円は結局行って来いの形になっていますから、全く動きが異なります。

 トルコリラも、9日以降さらに一段高がありましたが、昨日(11/19)の金融政策会合で、政策金利を10.25%から15.00%に引き上げることを決定しました。アーバル新総裁で初の金融政策会合ですからどのようなメッセージを出すかに注目されましたが、利上げ反対のエルドアン大統領に沿うことなく、中銀の独立性を再度明確にし、インフレ率の恒久的な低下が達成されるまでは断固として引き締めを行っていくとしており、トルコリラは一時対ドルで2%以上の上昇となりました。対円でも一時103.82迄上昇して現在もその水準近辺で値を保っています。世界中の通貨が更なる緩和懸念がある中ですから、大底値圏で中銀が利上げスタンスを取っている通貨は引き続き投資妙味が高そうです。

 一方ドル円同様の動きになっているのがユーロ円。7月に合意したEU復興基金案はハンガリーとポーランドが反対しているため成立が遅れており、12月のECB会合では追加緩和が予測されています。英国との貿易交渉も相変わらず良い妥結に向かいづらそうな雰囲気で、これもまたユーロ売りの大きな要因の一つです。その英ポンドは、今朝(11/19)英紙の報道でEUは合意なきバックアップを計画していると報じられたことで、弱含みになっています。英国はジョンソン政権が直近で内紛状態と報じられ、主要側近が離職しています(辞職と解任)強硬的なEU離脱波の離職ですから、頑なな主張をしてきた英側が交渉時に軟化する可能性もあり、引き続きこの問題で上下に振らされます。

 

※こちらのコラムは毎週木曜日時点で執筆した会員向けレポートより加筆・修正しております。

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