今週は再びドル円が強い動きになっており、2月16日のNY時間には米10年債利回りが一時1.3%台に乗せる等、昨年2月27日以来の高水準になったことでドル円相場は一気に吹き上げ106.226と高値を更新し、昨年6月以来ずっと上値の重石になっていた200日線をついにブレイクしました。10年債利回りの上昇は今年になってからピッチが上がっていましたが、さらに一段突き抜けた感じですね。続けばドル高、落ち着けば一旦ドルもだれそうです。
その他堅調な動きの1つがトルコリラです。当コーナーでも昨年11にトルコに変化が出ていることを取り上げ、個人的にはずっと動きを追ってきました。当時はエルドアン大統領が財務相や中銀総裁人事を一掃、リラは対円で史上最安値から13.52迄上昇してきたところでした。現在15.25と順調な右上がりです。それでもまだ2018年のリラショックの安値には到達していないくらいですから、安値水準でもう少し追いかけられる妙味が続きそうです。
また昨年最後のレポートで取り上げた南アランドですが、こちらも年始に変異種発生で値を下げたところが押し目となり、その後週足で現在6本連続陽線、7.325迄上昇してきています。こちらも緩やかですが着実に最安値からの切り返し通貨です。
直近相場は円独歩安の展開でしたが、昨日は13日に就任したイタリアのドラギ首相の「イタリアは2022年末までパンデミック前のレベルを取り戻せない」という発言がユーロ売りを誘いました。さすがに元ECB総裁ですから、経済言及に対する市場は反応が良いですね。ユーロ円は直近高値128.46を付けた直後に下落する動きになっています。ただ、リスクオンが強い相場展開が続いていますから、対円の通貨ペアについては下げたところが押し目になる動きになっています。ゴールドマンサックスは先般の顧客向けレポートからドテンし、低金利の通貨で調達した資金で運用するキャリー取引について、米国の利回り上昇に対して耐性のあるスイスフラン、台湾ドル、そしてこれまでの米ドルから一転日本円を推奨しています。ドル円相場は200日線突破でトレンドが出てきたわけですから、10年債利回りと合わせてその動きを追いかけていきたいと思います。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。
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