キャリー取引加速2021.02.26

 先週から今週にかけて、ドル円相場は200日線を突破して一服していましたが、24日のNY市場では、米10年債利回りが一時1.4%を突破しドル円相場もそれに連れて上昇しました。直近高値106.226を付けてから急激に値を消し105円割れまでだれましたが、再び106円台乗せのV字の切り返しです。さらに25日には米セントルイス連銀ブラード総裁による「成長とインフレの改善を考慮すると利回りの上昇は適切」という米長期金利上昇を肯定する発言で1.5%台乗せとなり、株式市場には大きなダメージになっていますが、ドル円相場には大きな追い風です。直近高値を抜いて104.630まで上伸しました。緩やかながら着実に切り上がっています。

 このところの円相場を見てみると、名目実効為替レートが昨年1月以来約1年1ヵ月ぶりの水準まで下げてきました。コロナ禍の昨年1年間は、どの通貨に対してもドル安の地合いが強かったですが、米経済が復調であることや、米政権が変わって大型財政出動等経済効果のさらなる押し上げ期待が強いことで、ドル回帰の動きが強まってきていることで名目実効為替レートが押し下げられてきており、FXでの注目点としては一段とキャリー取引が活発化していく可能性が高まります。

 このキャリー取引の活発化の可能性が示すように、すでにドル円に限らずクロス円全般で円安外貨高の動きが堅調です。ポンド円は2018年4月以来、豪ドル円は2018年5月以来の高値水準に顔合わせ、NZドル、ユーロ円は2018年12月以来の高値と軒並み高ですし、この円安地合いは製造業を中心に輸出企業にも大きく追い風です。

 対してドル安の中でマネーの流れを集めていた資源国通貨は一気に厳しい動きになっています。トルコリラは15.25の高値から一気に下落して200日線に達してきました。さらに25日に米バイデン大統領がシリア空爆を指示したことで、地政学的リスクも相まっています。今の金融市場が非常に不安定になっている中での地政学的リスクの発生は少し苦いものを感じます。月末の一過性の動きだったと来週の株式市場でホッとできれば良いのですが…こういう時はいつも以上に週末リスクを意識してください。

 

  ※こちらのコラムは会員向けレポートから修正・加筆したものになります。

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