ドル円109円台まで一気に上伸2021.03.12

 米10年債金利は1.6%台を突破したことで、週初のドル円相場は一時109円台乗せとなる上昇となりました。その後は金利上昇が一服しているためドル円相場も落ち着いた動きになっていますが、この109円台乗せは昨年6月以来です。引き続き金融市場全体が米10年債の利回りを見ながらの相場展開が続きますが、円相場の視点からは10日、日本政府が7月に開催予定の東京五輪で海外客の受け入れを断念する方針を決定しました。聖火リレーが25日から始まりますので、その前に正式発表とする見通しと報道です。これで、海外客による日本円への円転(両替)という五輪開催地特有の為替の動意もほぼ失われました。五輪そのものが開催されるのであれば選手やその他関係者は来日しますから全く円転が無いわけではありませんが、大きくボリュームは減ります。つまり、円高圧力が1つ失われるわけで、長期円安トレンドの継続に期待が持てます。引き続き、押し目は買ってホールドしておきたいですね。

 その他の通貨を見ると、未だ通貨事体の動きに大きな影響はありませんが、オーストラリアの住宅市場に対する懸念が示されつつあります。オーストラリアの2月の住宅価格の月間上昇率は+2.1%で17年ぶりの大幅な値上がりになりました。世界で最も住宅が手に届かない市場で、豪のシドニーが第3位、メルボルンが第6位となっており、この2地域で住宅価格の上昇を大きく押し上げています。(ちなみに1位は香港、2位バンクーバーで、日本はベスト10にランクインしていません)

 この状況に対して一部報道では当局が不動産融資に対して規制を強化する可能性があると報じています。2017年には中・印を主とする外国人に対する不動産規制を強化し、不動産価格の上昇を抑制する施策を取りました。その当時は2017~18年にかけて豪ドルの上昇も一服して緩やかに下降トレンドになりましたが、今回は国内の買い意欲です。RBAは政策金利の史上最低水準である0.10%を3年は据え置くと表明しており、低金利が不動産活況の大きな原動力になっています。銀行側はRBAに対して早期の利上げを求めており、住宅価格の上昇によるRBAの姿勢の変化というものは注意を払う必要がありそうです。早期利上げ観測が上がれば豪ドルは一段高、金利据え置きで不動産規制導入となれば豪ドルが売られやすくなります。今後、いずれかを織り込んだ動きが始まりそうですね。

  ※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。

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