6月らしい模様眺めの展開2021.06.11

 米国の金融政策会合であるFOMCは昔から年に8回の開催ですが、気が付けばこの10年近くの間に先進国でも多くの国でこの形が採用されるようになりました。

 FOMCに限って言うと、年8回のすべてに注目度が集まりますが、その中でも「特に」注目される回があります。6月、9月、12月がそれにあたります。会合後の議長会見についても現在は各回ごとに行われていますが、18年まではは3ヵ月ごとに年4回というスケジュールだったことから、会見がある会合の月に金融政策が変更される可能性が非常に高かったことや、さらに過去の利上げ転換時期を見ると圧倒的に6月だったということもあり(逆に利下げは急を要することが多いため、時期は定まりが無い)、6月のFOMCは非常に注目度が高まりやすく、且つFOMCが終わるまではポジションを取りにくいという模様眺めになりやすい時期とも言えます。

 今回の6月に関して言えば、FOMCが金融政策の転換を示唆する可能性は低いですが、経済指標などを見ると非常に堅調なものが多く、直近のISM非製造業景況指数は64.0で1997年の統計開始以来最高水準であり、PMIも史上最高値水準で高止まりするなど、パンデミックからの急速な出直りが顕著に表れていることから、やはりテーパリング議論を始めることを示唆ぐらいはあってもおかしくないかなというイメージです。ただし、先週末発表された5月雇用統計はたいしたサプライズも無く、また事前にバイデン大統領が「歴史的な進展だ!」とハードルを上げましたが、発表された数字はNFPが+55.9万人で事前予想の+65.0万人にも届かなかったですから、雇用を背景に議論を先送りする雰囲気になるかもしれませんね。コンセンサスは目新しいことが無く無風、サプライズはテーパリングについて前向きな発言が少しでも出ること。

 それにしても、ドル円相場を5分足などで見ていただくとより顕著ですが、動かなくなりました。いくら模様眺めとはいえ、日中2時間で5銭(5pips)動くかどうかというトレーダー泣かせの展開です。クロス円なども含めて全般に動きがありませんからスキャルでも労多く益少なしになりかねません。あまり無理をせず次の動きが出るのを待つ場面ですね。

 次週は6月会合が一巡した後に動きに注意が必要な通貨について取り上げたいと思います。

  ※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。

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