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利上げ時期を前倒したFOMC2021.06.18

 結局は無風通過と思われた6月のFOMCですが、ふたを開けてみると「利上げ時期を1年前倒し」し、2023年中に2回の利上げを実施することを示唆する内容となりました。これはドットチャートからみた利上げ時期なわけであり、今の時点でのFOMCメンバーの予想を反映したものですから明確な方針として見るものではありません。しかし、米経済に対して米当局者が力強い回復を確信していることが強いメッセージとして伝わりましたし、18人中11人が23年の2回利上げを予想したわけですから、現実にはこの予想に即して動いていくことになっていきます。

 またパウエル議長によると「次回の会合から進展具合の評価を始める」としています。これは量的緩和の進展についてであり、場合によってはテーパリング戦略を検討することも適切としていることから、いよいよ具体的な出口戦略を示唆し始める時期が近いことも示しました。

 これらの発表を受けてドル円は110.82迄上昇し、3月31日の110.96に接近しており、ユーロドルは一気に200日線にタッチするほどのユーロ売りドル買いの動きとなりました。次回のFOMCは7月末ですが、それ以上に米金融当局者が大きな方針を示す場として注目するのは、夏の大注目イベントである8月末のジャクソンホール会合になるかと思われます。かつてこのジャクソンホール会合での講演と金融政策変更は非常に重要なファクターになってきました。この辺りはまた後日のコラムで取り上げていきます。

 ひとまず6月最大のイベントを通過しましたが、もう1つ。7月6日(火)の豪中銀の会合で何か政策変更が行われる可能性が高くなっています。というのも、昨年11月の会合で政策金利を0.10%に引き下げ、追加緩和を決定した時以来、次回7月の会合でロウ総裁が会合後に会見を行うと発表したことで注目されています。直近で6月の会合議事録が公表されましたが、この回でもテーパリング論からは一歩引いた姿勢を示しています。そして次回会合での会見実施ですので、なにがしかの決定を行い、総裁が会見を行う準備があると市場は注意しています。コンセンサスは追加緩和の拡大です。豪ドルは小動きの小康状態になっていましたが、FOMCを受けて全面ドル買いの中豪ドルも売られ、値を下げています。日足チャートで84円を割ってくると、2020年11月以来の一目雲割れとなりそうです。

  ※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。

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