7月9日、中国当局が1年2ヵ月ぶりに預金準備率を引き下げる決定をしました。これ自体は中国国務院が7日に引き下げを明言していましたので強いサプライズではありませんでしたが、思った以上に早い実施と、引き下げ対象となる銀行が幅広く、結果17兆円規模が市中に流動することが確認され、中国市場は週明けに大きくプラススタートになりました。
中国政府は先週、サイバースペース監視管理当局が海外に上場する企業に対して厳しい規制を発動しました。アリババに次ぐ大型IPOを6月30日にしたばかりのDiDiを筆頭に、同様に6月中に米市場にIPOを果たした2社が規制の対象となりました。これを受けて海外市場のIPOを狙っていたkeepやバイトダンスもIPOの取り止めや延期方針を発表しています。さらに直近で100万人以上のユーザーデータを保有する企業は、海外IPOの前に必ず国家安全保障上の審査を受ける必要があることも報じられ、中国の有力なIT企業のIPOの機会が当面消失したような状況になっています。
続いて13日の報道では李克勉首相がコモディティ価格の上昇抑制のため、国内経済の活動を今後1年半にわたり合理的な範囲内にとどめる包括処置を実施すると発表しました。具体的な内容は示唆していませんが、国家的にコモディティ価格の上昇を抑制するわけですから、資源通貨にはマイナス要因です。
それにしても7月1日に結党100周年を迎えた中国共産党は、それから半月の間に矢継ぎ早に大きな方針を公表しています。この後8月初旬には恒例の北戴河会議が開催されますので(日程非公開)、さらに秋に向けて中国からも新たなメッセージが出てくる可能性も否めません。
さて、資源通貨と言えばその筆頭の1つである南アフリカランドは大幅下落中です。前大統領のズマ氏が在任中の汚職疑惑に対して今月7日に収監されましたが、それに対してズマ氏支持者が行っていたデモが暴徒化し、最大都市のヨハネスブルクや南東部ダーバンなどでショッピングモールの略奪や放火が相次ぐ暴力行為に発展し鎮圧のために軍が出動する事態になっています。暴徒化の段階ではズマ氏の支持者だけでなくコロナによる経済困窮者などが混乱に乗じて略奪に及んだという厳しい経済背景を示す事件となっています。
折角の資源価格上昇に連動して8.18台まで上昇していた南アランドですが、このような国内政情不安を受け、現在は7.4迄急落し約1ヵ月で8%超の下落。月足チャートは2017年末同様に雲で上値を抑えられて下落する動きとなりました。目先はまだ下げ止まりを確認できる動きは見られません。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。
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