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金融政策はテーパリング決定を待つ地合い2021.09.03

 9月相場に入りました。来週6日のレーバーデーが過ぎるといよいよ秋相場も本番です。先週も取り上げたように、今月から来月にかけては為替相場にも影響する政治スケジュールが目白押しですが、その前は注目度の高い米8月雇用統計や翌週の豪の金融政策会合が控えています。

 まずジャクソンホール会合で年内テーパリングをしっかり示唆したパウエル議長(と中銀総裁面々)がこの時期を見るうえで大きく注目するのが今週末の8月雇用統計です。前哨戦のADPは予想63.8万人に対して37.4万人という結果になり、ドルが売られる大きな要因になりました。6.7月とNFPがしっかり伸びてきましたが、この流れが今回も続けば9月FOMCでテーパリング決定という見込みが強まり、ドル買いと一時的な米株の下落という動きが出そうです。今回が悪かったとしても早い時期にテーパリング決定がなされるわけですから、110円割れは拾っておきたい水準と思っています。

【8月雇用統計 ロイター予想中央値】
NFP  +75万人 (前月+94.3万人)※前月を下回る予想
失業率 5.2% (前月5.4%)※前月より改善予想

 次週9月7日の豪RBA会合ですが、デルタ株感染者が増えている同国ではシドニーがロックダウンを月末まで延長するなど、経済への悪影響が懸念される点です。5月以降、中国による資源価格上昇抑制も追い打ちとなっていますが、1日に発表された4-6月のGDPは0.7%増加で予想0.5%増加を上回る好結果になったことで、テーパリング実施決定へ追い風になりました。また8月末のジャクソンホール会合でパウエルFRB議長ならびに米中銀総裁面々が年内のテーパリング開始を示唆する発言をしたことで、世界的に金融政策が出口戦略へ向かうことの地ならしも出来つつあるという市場マインドです。現実にオーストリア中銀総裁も、ECBのPEPP縮小の検討を討議していくべきであるという方針を示しており、雰囲気は大きく変化してきました。コロナ感染者は世界中まだまだ深刻とは言え、共存する中での経済成長やボトム脱却が明白になってきたということが言えそうですね。

*9/3bloomberg報道 GSによるとRBAは9/7の会合でテーパリングのプラン堅持の見通し

 次週、RBAがテーパリングを決定するか、ロックダウンを抜けてからの決定とするかのいずれかですが、今月見送って豪ドルが下がるようなところがあればそこは拾いたいと考えています。

  ※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋・加筆したものになります。

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