年内最大の注目イベントとなった12月のFOMCは、事前に当局者がマーケットに対してアナウンスメントしていた通り、テーパリングの加速を決定しました。これで買い入れは22年3月に終了し、4月以降は利上げタイミングを見ていくという段階に入ります。22年に3回の利上げを見込むことも明らかにするなど、総じてタカ派なスタンスを示しました。
またこれまでしつこく使ってきた「一時的なインフレ」を完全に削除し、高いインフレ状況が続くことに警戒感を示す内容になりました。この「一時的」の削除は遅きに失した感が否めませんが、総じて何よりもマーケットとの対話を上手に進めていることから、大きな混乱などの無い相場展開になりました。この辺は日銀にも是非まねして欲しいところです。
FOMC参加者によるドットチャートを見ると、22-23年の利上げ回数が3回、24年が2回となっています。ただ、来年も厳しいインフレを想定しているわけですから、利上げ回数もさらに増える可能性があるかもしれません。
ドル円相場はクリスマス休暇前ということもあり、特段の大きな動きにはなっていませんが、順調に日足チャートで雲をサポートに114円台に乗せてきました。来週は手を出す週ではありませんし、最終週は幾分の動きはあったとしてもニューイヤーが近いので、実際の動きは3日の夜からになります。それまでに113円割れがあればそこは買っても面白いかもしれません。
2022年はとにかく「インフレ抑制」が世界のキーワードです。当然利上げに向く国も増えてくると思います(16日の欧米時間は英中銀が0.10→0.25%へ利上げ。インフレ状況的に利上げは示唆されていたが、コロナ感染者が再び増えていることもあり、経済減速を警戒して今回は据え置くという見方が多かったためサプライズ反応。ノルウェー中銀も9月に次いで今年二回目の25bp引き上げで0.50%へ。さらに来年3月の会合でも追加利上げを示唆)が、改めて日本やスイスなど利上げに向くとは思えない国の通貨がキャリートレードの対象として売られる可能性があります。つまり円安ですから日本的には歓迎とも言えますね。雇用からインフレ管理へ、雇用統計からインフレ指標へ注目目線を変えて、急激にインフレ率が高まる国の中銀動向をチェックするなどファンダメンタルズを意識していきます。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。
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