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為替市場は引き締めと緩和に二極化2021.12.24

 先週は年内最後のFOMCが開催され、予想通りのテーパリングの加速を決定しました。22年6月には1回目の利上げが予想されます。インフレ状況が一段と深刻になればそれよりも前の段階での利上げ、また25bpで刻んだ段階的なものではなく、もっと大幅な利上げの可能性もあり得る加速度的に進むインフレに注意が必要です。

 また16日の夜には、英中銀が利上げを発表しました。15bp利上げし0.25%としましたが、現在の英国はオミクロン株の感染が急拡大していることから、経済停滞を懸念して見送られるという事前予想が高まっていました。英国も10月以降インフレ率がピッチを上げて加速しており、11月のCPIは前年比+5.1%、2011年9月以来の高水準を記録しました。コア指数は4%で、これは統計開始の1997年以来の最高水準です。

 英中銀は政策金利が0.5%に達した段階で買い入れ資産の償還に伴う再投資を停止するとしており、次の利上げタイミングからは中銀による市場介入の終了も踏まえた株価の動きなども見た上でのポンドトレードが必要になるかと思われます。ただ、インフレは落ち着きを見せない中ですから、2月3日の次回会合で追加の利上げを行う可能性が強まっています。チャートを見ると対円で148.97で下値をつけて出直り、直近で200日線をタッチしてきました。

 利上げについては、2022年中にECBも追従するのではないかという見方が出てきています。インフレ高抑制の利上げが多くの国で見られる状況になってきました。対して、景気の悪さを印象付けたのが中国の利下げです。中国人民銀行は12月20日、主要金利を0.05%引き下げると発表しました。利上げは昨年4月以来です。今、静かの利下げを決めた中国の内情は外に見せる以上に厳しいのではないか・・・という印象を付けるこのタイミングでの利下げ発表でした。

 2022年相場が目前に迫ってきました。為替はインフレ抑制の金融引き締めが主要テーマとなり、中国の経済減速の深刻さがどれほどのものかによって投資マインドは変わりそうです。目先はアメリカのインフレの状況と利上げペースと幅についての見通し変化をよくチェックして前半はドル買いスタンスで見ていきたいと思います。

 今年も1年お付き合いいただきましてありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。

 ※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。

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