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約39年ぶりだが予想通りでドル反落2022.01.14

 年始に116円を付けてから調整が続くドル円相場ですが、そんなドルの動きはさておき、パウエル議長とFRBは着々と段階的な利上げに向かう素地を作っています。11日に行われた上院の公聴会でもパウエル議長は最大雇用とインフレ抑制について発言し、マーケットに対して利上げに対する耐性を付けさせるための対話を行っているようです。

 このインフレは加速する!利上げ回数は増えるといういささか前のめりにも感じる期待感の中、12日に12月のCPIが発表されました。前月の6.8%を上回る7.0%で約39年ぶりの上昇値となり過熱感のあるインフレ状態が確認されたものの、予想も7.0%だったことからドル相場はすぐさま下げで反応しました。「もっと高い数字が出て、より利上げピッチが速まるのでは?」という期待感を押し下げた形となり、対円で114円台前半まで値を消しました。

 高インフレ状態であることは疑いようもなかったが、それまでにパウエル議長や地区連銀総裁などがタカ派の発言を繰り返していたことで、市場マインドはさらに上昇を警戒していたところ、想定通りの数字だったから反落・・・となれば、加速度的なドル上昇を抑え一先ずマーケットの誘導に成功している印象です。

 マーケットの誘導というと、気になるのが日銀の動きです。14日、日銀がインフレ目標達成を待たずに利上げ可能かを議論するという報道が出ました。朝から出ていた記事ですが、これが海外に向けて報じられ認知されてから日本株は売り崩され、前場は一時600円近い下げとなりました。後場は13時ごろに強烈か切り返しになりましたから恐らく日銀の買い入れが入ったのではないかと推測されますが、事実日銀はこんなことを考えているのでしょうか。報じられ方からすると、日銀関係者が囁いて市場の反応を見たという感じを受けるので「100%考えていないわけではない」と思われます。

 とはいえ時期尚早ですから、来週の日銀金融政策決定会合でこの点についての言及は恐らく無いと考えています。ただ、昨今世界中で懸念される高インフレの中、他国が続々と利上げに舵を切っていますので、ますますの円安を容認することは避けたいのは実情でしょう。しかし現状で円高・株売りになったら、日本がますます単独デフレ化になりそうですが・・・。

 直近、その他の相場に目を向けると原油相場が再び80ドル台に乗せてきました。原油高=資源通貨で豪ドルをまず見てしまいますが、素直な動きはカナダドルで、対円で91.93迄上昇し、年11月4日以来の高値示現です。一部見通しでは原油相場100ドルへという観測もありますから、原油の上昇に連動するカナダドルは注意が怠れません。またカナダは10年ぶりの高値を付けているニッケルの産出量も世界第5位です。資源上昇はカナダドルに強い追い風になりますね。

 ※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋・加筆したものになります。

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