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地政学的リスクの先を見て買い場探し2022.02.25

 ついに2月24日の日本時間の午前11時半過ぎ、プーチン大統領はミンスク合意を破棄し、ウクライナへ侵攻しました。当初はウクライナ東部一部への派兵かという雰囲気でしたが、蓋を開けたら全土に侵攻しており、早々に主要軍事拠点を掌握していきました。

 
 この侵攻で為替の反応はというと、まずはロングの解消、ドル売り。欧州が主戦場ですからユーロ売り、ポンド売りの動きになりました。北海ブレント、WTI原油はそれぞれ100ドルを突破、その他にも天然ガス、アルミなども上昇し、モノの値段が急騰しました。

 侵攻から一夜明け、NY株式市場が反発したことを受けて、資源も含めて価格は全般的に落ち着きを取り戻しましたが、資源などのモノがひっ迫していくのはこれからでしょう。イコールインフレの加速ですね。

 
 ウクライナ情勢を鑑み、JPモルガンは4-6月の原油価格を110ドルと予想しています。加えてウクライナは農産物の主要生産・輸出国でもありますが、今年の厳しい冬の天候で冬作物の生育状況が12%生育不良になっており、農産物の価格上昇にも拍車をかける状況になりそうです。
 
今の状態でロングポジションを考えるのは難しいですが、ただ下げたところを狙わない手はありません。ドル円相場はウクライナ侵攻で114.50割れとなりましたが、大きく突っ込むことはなくショートカバーも入って115円台に回復しています。さらに3月に入ればFOMCで利上げが控えていますから、徐々に市場のテーマはFOMCに戻っていきそうです。ただし、今回の侵攻を受けて、FOMCの3月50bp利上げの可能性は大きく低下しました。現実的で安定的な路線を取って25bpの利上げというところで落ち着きそうです。
 
 原油価格の上昇を加味するのならば、資源通貨も外せません。豪ドル円は直近で21日線が200日線をゴールデンクロスする寸前です。またカナダドルについても早期利上げを示唆していましたが、3月2日にBOC会合を控えています。ただ、少し時期が早いかもしれません。来週ですから戦闘の状況によっては様子見という判断も妥当ですので、カナダドル動意があれば乗るが深追いせず早めの利食いを見込みたいです。
 
 いずれにしても、全面的な金融資産のリスクオフの中でも為替は国同士の相対ですから、出直って静かに変化を見せている形が見受けられます。先の材料と合わせて買い場を見る場面と考えます。

 ※こちらのコラムは会員向けレポートから一部抜粋・修正したものになります。

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