ロシアのウクライナ侵攻による日々の報道で相場は右往左往する地合いが長く続いていますが、9日のNY時間にはウクライナ側がロシアに対して譲歩する姿勢を示したことで停戦期待によるリスクオンの動きになりました。とはいえこういうリスクオンやオフを繰り返しているわけですから、未だ終息には時間を要すると考えますよね。
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いろんな場面で目にすることが増えてきたウクライナの国旗は、青と黄色の二色ですが、この黄色は穀物畑を象徴しているといいます。小麦、トウモロコシ、カボチャその他農産物など非常に多くの穀物がウクライナで生産されて世界に輸出されています。直接日本がウクライナから仕入れているものがあるわけではなくても、結局それらの輸出が減少すれば商品全体の価格が上昇して生活に襲い掛かるわけですが、9日に農林水産省が政府が買い付けて製粉業者などに売り渡す輸入小麦の価格を4月から17.3%引き上げると発表しました。既に即席麵やパンの価格などが値上がりしている中、今後さらに値上がりすることが伺えます。
ウクライナは世界屈指の食料が豊富な国・・・のはずですが、これらは地下資源とは違いますから、種を撒かねば、育てなければ収穫は出来ません。小麦は例年7,8月に作付けして翌年8,9月に収穫期を迎えるということですから、戦闘が長期化し、凄まじい数の人が国外に避難している中であれば、例年通りの作付けというわけにはいかないでしょう。市場に出回るはずの農作物の生産量が減ると考えられます。ただでさえ戦争の長期化で商品価格は大きな変動となっており、さらにコロナ禍の量的緩和とサプライチェーンの混乱で様々なものの価格が上昇しインフレリスクが台頭する中ですから、目先だけではなく長期的なインフレを警戒をせずにはいられません。
まず、来週は15-16日にアメリカでFOMCが開催されます。25bp利上げは既定路線。議事録等で次回以降の利上げについて、また50bpの利上げについてポジティブな内容を見られると動意となりそうです。
豪もロウRBA総裁が年内利上げを言及しています。前も触れたように、今の路線では8月以降ですが、8/2の会合に向けて思惑が強まりそうです。またANZ銀行の予想によると、RBNZの利上げ時期は、4.5月に各50bpという非常に強い予想が出てきました。NZドルも直近で上昇しています。NZの会合は4/13、5/25に予定されています。目先ではなく少しスウィングでインフレ対応する国の通貨をしっかり狙いましょう。
※こちらのコラムは会員向けレポートから一部抜粋したものになります。
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