ロシアがウクライナに侵攻して、今日(3月24日)で1ヵ月が経過しました。ひと月前以上に「物」の不足に対する懸念が強まりつつあり、戦時下でもありながら各国中銀もインフレに即した対応を改めて強く示し始めました。その筆頭がFRBでしょう。
ドル円は22日の朝、2016年2月以来の120円乗せまで急騰して以降、一気に121.41迄上昇しました。21日のNY時間にパウエルFRB議長をはじめとするFRB要人から、次回のみならず複数回の50bp利上げの可能性が言及され、ドルは一気に急騰して大台乗せ示現となりました。大幅利上げを断続的に行うのことを前提にすれば金利面からドルが買われる材料が揃っています。今は急ピッチの円安基調に警戒感も出て一服しています。ただその他中銀も緩和縮小や利上げ方針を示す中、日銀は直近の会合でも「出口戦略について述べるのは時期尚早」だという慎重な姿勢を継続しました。これは日本株にとっては良い材料ですが、為替の面では円はこれからも安いと示したようなものですからキャリーが活発化するのは否めません。とはいえ、次回のFRB会合まではひと月ありますから、適度な押し目を期待したいところで、120円割れは少し買っておきたいです。
広く他の通貨を見ると17日に追加利上げを決定した英国が23日に発表した2月のCPIは前年比+6.2%となり、1992年3月以来約30年ぶりの高水準を連続しています。このインフレ率であれば追加利上げも現実的です。直近では4月5日に会合を控える豪ドル堅調な動きを保っています。既報通り、現状では8月利上げ開始が現実的ですが、今のインフレ加速の地合いを見ると、RBAもスタンスの変更を余儀なくされるかもしれません。見るべきポイントは議事録でや総裁会見でのスタンスの変化です。
※こちらのコラムは会員向けレポートから一部抜粋したものになります。
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