トップページ > 株式投資コラム > 横尾寧子のFXのはじめかた > 利上げよりリセッション懸念にシフトか

利上げよりリセッション懸念にシフトか2022.05.13

 5月初旬の利上げ会合を通過し、相場の雰囲気がまた変化してきました。ドル円相場は5月9日に直近高値を更新して131.34迄上昇しましたが、その後は再び失速して130円割れで推移しています。このドル円相場の勢いが失速しているは利上げは始まったばかりではありますが、利上げと並行して出てくる問題である「リセッション」に視線が移りつつあることが大きな懸念になりつつあります。

 5月11日に発表された4月のCPIは前年比で事前予想の+8.1%を上回る+8.3%となりましたが、40年ぶりの高水準となった前月の+8.5%からは下落し、8カ月ぶりに前月比では鈍化となりました。まだインフレ懸念が後退するような内容とは程遠く、6月のFOMCでも強い利上げを支持するような数字ではありますが、急ピッチで続いてきた物価高がやや鈍化となりました。ただまだ株式市場にとってはマイナス材料として続きます。

 
 バイデン大統領はCPI発表後の記者会見で、「インフレは許容できないほど高い。インフレはアメリカ中の家族にとって問題だ。これを低下させることが最大の経済的課題である」とインフレ対策を引き続き強く支持する姿勢を示し、利上げには追い風であるものの、株式市場には大きなマイナス材料と受け止められ、リセッションへの警戒がじわじわと強まっています。これまでドル独歩高が続いてきましたがリセッション警戒が強まれば、ドルに向かった投資の分散も予想され、目先は鈍い動きとなりそうです。
 
 市場は常に新しい材料を探し、それを思惑に動いていきますので、あくまでもリセッション懸念でのドルの鈍化は「今のテーマ」です。ドルを売っていく地合いではないと思いますが、リセッション懸念がより強まったり、要人発言に言及されるようになるとムードが変わりますから要注意の局面です。
 
 その他目に付いたのは、ラガルドECB総裁が実質的に7月利上げを認める発言をしました。同氏は7-9月期の早い時期に資産買入を終了し、その後数週間以内に利上げの可能性もあり得ると示唆しました。ECBの会合は7/21です。近づくにつれてユーロも利上げを織り込む動きが期待されます。来月は6月、そろそろ年後半の動きを考える時期になってきました。ドルについては過去に継続的な利上げを行っていた時期のドルの動きをおさらいしつつ、後半を考えてまた取り上げていきますので参考にしてください。

 

 ※こちらのコラムは会員向けレポートから一部抜粋したものになります。

◇◆◇横尾寧子 新刊 発売のお知らせ◇◆◇

ズバリわかる!FX超入門はじめてのての人でもコレでOK! 

FXアドバイザー横尾寧子の新刊がこのたび発売されました!

FXに興味はあるけどまだ始めていない…初心者の方へ、取引の基本から儲けのポイントまでイラスト・図解で丸わかり!FXのしくみとは?トレードの仕方からチャートの見方、経済指標の見方まで、これ1冊でFXトレードがはじめられます。
是非、書店等でお求め下さい!

・発売日 : 2020年3月10日
・出版社 : 成美堂出版

インターネット有料情報(コラムページ用)インターネット有料情報
☓ バナーを閉じる

有料情報「早見雄二郎の特ダネ株式ニュース」 お電話または、インターネットで早見独自の株式投資情報が手に入る有料サービス

電話有料情報(情報料300円)インターネット有料情報(情報料300円)はこちら