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欧州から遠い北米の強さが続く2022.07.15

 7月13日のNY時間に注目されていた6月の米CPIが発表されました。予想+8.8%に対して、+9.1%と非常に高い数字となり、約41年ぶりの高い伸びが確認されましたがマーケットへのインパクトは前月に比べて耐性はあったと言えるかもしれません。大きな混乱にはなりませんでしたが、ドル円相場は明けて日本時間に日米金利差を受けて138円台乗せとなり、非常に強い円安地合いが続いています。またこの13日は米国の隣であるカナダで金融政策会合が行われ、1998年以来ぶりの1%利上げが決定されたこともあり、FRBに対してもマーケットコンセンサスが75bpの利上げではなく、1%(100bp)利上げに傾いてきています。現実路線では75bpが手堅いように思いますが、経済以上にインフレ抑制というお題目を掲げる中、無いとは言えない状況です。こうした背景を受け、月末(7/26.27)開催のFOMCに向けて、未だ円安が進む可能性を前提にしておいた方が良さそうです。

 一方、急ピッチなインフレ加速が進み、インフレ対策の利上げも各国で続いています。とはいえ、原油価格はこのところ大きく軟化しており、押し上げ期待を担う中国経済も未だゼロコロナが足を引っ張り、住宅関連企業も大きく傾いていることが次々と報じられていることから、資源通貨でも二極化しています。前出のカナダはアメリカと同じ北米大陸に位置することから力強い経済成長とカナダドル高が続いていますが、資源通貨の雄でもある豪ドルは中国経済に大きな影響を受け、また欧州経済の先行き不安も相まって冴えません。豪ドル円は日足で現在三角持ち合いの形。どちらに放れるか注意してみています。隣国NZも豪ドルに似た動きをしていますので、こちらも注意を。
 
 さて、今年も年後半の動きを考えなければなりません。少し気が早いですが、現在大幅利上げが各国相次いでいますが、一部エコノミストの見通しは来年「利下げ」予想です。BOEは春先、FRBやECBは秋ごろの利下げの可能性が言及され始めています。今年は急ピッチで大幅な利上げで目先のインフレ抑制を急務としていますから、調整的な利下げは無いとはあり得ると思いますが、現実味を帯びれば帯びるほど、金利差縮小で通貨の動きは逆になる可能性も。そうしたトレンドの大きな変化が今年の後半のどこかの場面で到来すると考えてマーケットと対峙していきましょう。
 

 ※こちらのコラムは会員向けレポートから一部抜粋・加筆したものになります。

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