日銀委員2名の審議委員任期満了に伴い、24日付で高田創氏と田村直樹氏が任命されました。これまでリフレ派の急先鋒だった片岡氏は任期満了となり、9月以降の日銀金融政策決定会合から新メンバーで審議されることになります。今回任命された方のうち、高田創氏(岡三証券グローバルリサーチセンター理事長)は市場から「財政健全化派」と呼ばれ、大規模金融緩和の副作用を問題視してきた方です。かと言ってすぐに強い行動を示すとは考えにくいですが、段々と日銀メンバー内の雰囲気が変わるキッカケになる人選ではないかと見られています。来年春には黒田総裁の任期到来となりますので、次の日銀総裁の人事辺りから、政府の゛今後゛の金融政策に対する見方が強く確認できそうですね。
円相場を見てみると、依然として138円台で堅調に推移しており、1ドル140円という大台目前の高値圏で推移しています。来週のFOMCを控え、発表前には思惑の動意があるでしょうから、来週のどこかで大台突破もあるかもしれません。現在のロイターの調査によるコンセンサスは75bpの利上げですから、それ以上であればサプライズで株式市場が大きく動きそうです。
今は未だ円安局面が続くという見方が強いですが、約24年ぶりの水準の日本円について、海外の市場関係者からは反転の円上昇を警戒する向きも少しずつ出てきています。6月の日銀金融政策決定会合がまさにそのチャンスをうかがうような外国人の事前円買いポジションの積み上がりがありました。スタンス変更を伺うも、結果緩和維持で円売りに巻き戻されましたが、一方的に偏った相場になっているので大きな反転を狙いたいのは相場の常です。FXのような機動的ではない長期の外貨投資でドルを保有しているのならば、利益確定ポイントだと考えています。
また夏の注目である中国ですが、近日中に米中電話会談が行われる模様です。アメリカは11月に中間選挙を控えていますが、現在非常に高いインフレに頭を抱えている状況で、トランプ政権時に発動した中国からの輸入品に対する制裁関税の引き下げなどが話し合われるのではないかという見通しです。中国側にも8月上旬開催見込みの北戴河会議、そして秋の党大会に向けて渡りに船か。
※こちらのコラムは会員向けレポートから一部抜粋したものになります。
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