ドル円相場は先般行われたジャクソンホール会合のパウエル議長発言以降、再び円安が加速し、144.99迄上昇。連日1998年以来の高値を更新し続けてきています。FEDウォッチャーの見通しでは、今月のFOMCでも再び75bpの大幅利上げが織り込まれており、未だドル円相場の衰えが見えません。6日に50bpの利上げを決定した豪ドルは対円で97.5円まで上伸し、2015年1月以来の高値。昨日75bpの利上げを決定したカナダドルは110.14迄値を伸ばして2014年の高値を抜いて2008年1月以来の高値水準です。週初に史上3人目の女性首相が決定した英ポンドは、他通貨に対しては軒並み安になったものの、やはり量的緩和継続中の対円では続伸するなど、軒並み円独歩安が続いています。日本サイドからの形だけの口先介入が続きますが、日本側の発言は全く意に介さない動きが続いてますので、この水準まで来ると1998年8月につけた147円も射程圏内です。
ただ、今月は日銀も金融政策決定会合を控えており、今回から委員が2名、非リフレ派に代わることは既報の通りです。FOMCで金利発表が行われるのが日本時間の9月22日の午前3時、日銀会合は同日の日本時間に政策決定が行われます。急ピッチな円安進行の後で、政府・日銀サイトからの口先介入も段々と強いメッセージに変わってきていますので、何らかのメッセージが出てもおかしくないと警戒しておきたいスケジュールです。
また次週13日の21時半に米国の8月CPIが発表されます。前回が前年比で+8.5%と予想+8.7%をやや下回りましたが、その後もインフレ抑制への強いメッセージが出されたことでドルは再び力強く上昇してきました。今回のCPIもアメリカのインフレ状況を見て今後の金融政策を考える上で非常に注目されます。8日にブレイナードFRB議長が発言した内容で「リスクはいずれ二面的な側面を強める可能性がある」というものがあり、市場はこれをハト派と受け取ってドル相場は一旦動きを緩めました。心理的な高値警戒感も合わせて強まってきていますから、指標や発言に一層注意してください。
※こちらのコラムは会員向けレポートから一部抜粋したものになります。
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