混沌とする秋の為替相場2022.09.30

 9月22日の夕方、相場の変化を見たのは17時を回ったころです。急激な円高で値が飛び出し、2011年の介入を思い出す(当時はドル買い円売り)値動きでした。レートチェックの比ではない。リアルタイムでドル円相場を見ていた多くの方が実感されたと思いますが、24年振りの円買い介入が実施されたのは既報の通りです。145円が防衛ラインと確認された動きになりました。介入資金は3.5兆円規模ではないかという見通しになっていますが、一先ずその効果としては一段の円安を防衛する抑止力として現在までは効果がみられていると言えそうです。

 日本が24年振りに円買い介入を実施したことが為替市場の大きなトピックとしてしばらく最大注目になりそうかと思いきや、一気に市場の注目が英ポンドに移りました。
 
 先週21日、元BOEメンバーがトラス首相の経済政策を批判しポンドショートを推奨するという記事が流れ、実際にポンドは対ドルで1985年以来の安値を更新するという記録的なポンド安になっています。
 
 27日には金利急騰を受けて、複数の住宅金融機関がローンの提供を一部取り止めるという報道が出ており、英国の住宅市場に大きなダメージを与えると懸念されます。こうした英国の直近の金融市場の状況についてイエレン米財務相も「英国の情勢を非常に注視している」と発言していました。
 
 そして28日、BOEは国債の利回りが急上昇したことで換金売りの連鎖で年金基金の破綻に繋がる瀬戸際になったことから、英国債の緊急買い入れを臨時決定し、来月までに行うはずだったQT(量的引き締め)開始を延期することを決定しました。大幅利上げを行う最中に量的緩和拡大の臨時決定という異常な事態になっています。
 
 今、円とポンドが最弱通貨と言われていますが、こうしたショックが他国にもどう波及するか見えてこない状況です。米債金利が上昇してもドル買いに繋がりにくいのは介入懸念も当然背景にありますが、リスクを取りに行く動きに待ったが掛かっている面も否めません。
 
 今年は年始から現在に至るまで非常に大きなニュースが立て続いており、やや麻痺しそうですね。例年であればその1つで大きなトレンドが作られそうなトピックが毎月出ているような印象です。そんな荒ぶった年のいよいよ秋相場です。一段と混とんとしてきましたので、今はキャシュ比率を上げ、さらに大きな動きが出る場面に資金を投げるのも一考です。とにかく目が離せません。

 

 ※こちらのコラムは会員向けレポートから一部抜粋したものになります。

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