今週は感謝祭相場で全体的に大きな注目テーマは少ない中、注目されたNZの利上げは1999年の現行制度導入以来最大幅となる、予想通りの75bpとし、政策金利は4.25%に決定しました。利上げは9会合連続で、直近5会合は50bpの利上げを行っていましたが、今回はさらにインフレ抑制に力を入れ、一段の利上げとなりました。
ロバートソンNZ財務相は「インフレ抑制をするためには金利を引き上げ続けなければいけない」と発言、RBNZの声明も更なる利上げを示唆し、ターミナルレート(最終到達地点)が以前示唆した水準よりも高くなる見通しを示しました。NZドル円は87.45迄上昇し、9月の高値87.86にあとわずかです。上昇トレンドは崩れておらず、右上がりのサポートラインがしっかり機能しており堅調な動きです。ただ、直近でもJPモルガンが指摘していましたが、金融市場に「リスクオフ」の動きが強まる場合には、NZドル円ショートが一気に強まる可能性がある点は今のトレンドが固い分致し方ありません。また、NZの年内の金融政策会合はこれをもって終了し、次回は年明け2月22日までありません。この2カ月間は他国が大きく方向性を変えてくる時期であり、多くの国で利上げによる経済減速も次第に強まってきています。RBNZが今のスタンスを来年2月に続けられるかの変化を見極めていく時期と考えておきます。
さて、ドル円相場は140円割れの後、一旦値を戻していましたが、FOMC議事要旨が公表され、改めて利上げペースの鈍化や利上げによるリスクへの言及等が示唆されたことにより、再び値を消して138円台まで下げてきました。日足のチャートでは現時点で一目の雲を完全に下回り、90日線も下に割り込んできました。
来週はさらにアメリカの重要な経済指標が続き注目ですが、同時に注目したいのがカナダです。12月7日に年内最後の会合を控え、その前に第3QGDP、雇用統計、建設許可等注目される指標が発表されます。マックレムBOC総裁は昨日、低インフレの目標は未達としながらも、金融引き締め終了の時期はまだ至っていないが近いとコメントしました。利上げ幅もいち早く縮めたBOCですから、アメリカの金融政策を伺う試金石としても注目しておいてください。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋しました。
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