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更なる変更を否定した総裁、信じない金融市場2022.12.23

 欧米がクリスマス一色に向かう今週、日銀が今年2回目の「サプライズ」を発表しました。1回目は当然、NY時間に行ったステルス介入です。あれも時間・曜日共にサプライズで円安を止める大きな要因になりましたが、今回もやってくれました。日銀は長期金利の変動許容幅の上限を0.25%から0.5%程度に引き上げる緩和修正を決定しました。大規模緩和をけん引してきた黒田総裁の春まで残り僅かの任期の中、ここへきて緩和修正という先行きを示すような大きな決定がなされたのはサプライズです。年明け以降、徐々に出口戦略、新体制に向けて日銀側が「におわす」発言をしてくるイメージでしたが、そうした市場の雰囲気を一蹴するようにしっかり決定してきました。ブルームバーグによると、今回の日銀の決定についてUBSアセット、シュローダー等3社は正確に予想したポジションを取っていたと報じられています。2008年のリーマンショック直後から以降の為替相場の方向性についても、当時UBSは先を見据えた正確な見通しを示している印象でした。今後も重要な転換点が続く中で、アナリスト発言等注視されそうです。

 さて、今回の日銀の政策変更を受けてドル円相場は直前の137.41から、その後130.567迄わずか半日で5%ほど下落しました。その後は多少戻しましたが、132円を挟んだ小動きになっています。10月につけた151円の高値からあっという間に20円下落する厳しい動きになっています。日足チャートでは日銀会合を受けて200日線を大きく割り込みました。これで完全な売り相場トレンド入りか。基本は戻り売りスタンスです。これまでは「とはいえ日米金利差」と言えましたから、一本調子の円高基調になるという見通しには否定的でした。「それでも動かないであろう日銀」という前提があったからこそでしたが、その前提が崩れました。黒田総裁は更なる変更を否定しましたが、間もなく任期満了です。発言に惑わされることなく見ていく必要がありますね。金融市場は当然ながら来年以降の更なる変更を前提に動き出しています。
 
 長期チャートで見れば、大きな節目であった135円を簡単に割り込んできましたので、次の下値の目安は125円。下げのピッチを見ると、さほど遠いとは思えない印象です。
 
 ちなみにこのドル円チャートと非常によく似た形になっているのがメキシコペソ円。高金利・通貨は安く手ごろで人気でしたが、注意を。
 
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋・一部修正しました。
 

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