アメリカは1日、今年最初のFOMCで政策金利を予想通り引き上げる決定をしました。利上げ幅は25bpで2会合連続で利上げ幅縮小したことも予想通りです。今回の決定で政策近位は4.50-4.75%となりましたが、FOMCメンバーが想定する年末の政策金利推移が5.1%であり、パウエル総裁は関係の中で「後2回ほどの利上げを協議中」であるとしました。米株は会合まで大きく値を消していましたが、会合が通過して議長会見が行われる中で値を戻す動きになりましたが、ドル円は一時130円台まで戻していたのが再び128円台まで値を消し、151円からの高値を結んだ右下がりの上値抵抗ラインを突破していたが勢いは続かず、21日線に頭を抑えられて再び失速の動きになっています。
今回のFOMCの中での注目点は「後2回の利上げ」を行うことと「利上げ停止の後再利上げを検討することは無い」という表現をしていた点でしょうか。その背景と見る「ディスインフレプロセスが始まった」と物価上昇に対する現在の見方を示したことも大きな理由です。現在インフレは緩和したが、未だ高止まりの状態。ただし今後は物量が増えるわけではなく価格は低下するディスインフレで経済が落ち着いていくと見ている内容ですから、為替的には更なる利上げ期待が後退し買いづらい内容ですが、米経済には大きなプラス材料になりそうですね。
このドルの鈍さに対してこのところ堅調な動きになっているのがユーロです。欧経済を圧迫したエネルギー価格が沈静化しており、ユーロドルは昨年9月末にパリティ割れをしてから4ヵ月強ですが、1.1台まで上昇してきました。2月1日は10カ月ぶりの高値更新となり、週足の一目均衡表は雲を上抜ける動きを見せてきています。ウクライナ侵攻前の高値が大体1.15台前後でしたので、目先の戻りの目安はこの辺りになりそうです。ただ、じわじわと緩やかですから、ここをロングで買うとドルショートの支払いスワップに注意が必要です。あくまでユーロドルの動きを参考にしつつ、クロス円でユーロを買っていく方が効率的だと思います。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋・一部修正しました。
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