先週末は、日銀の次期総裁に全く名前が取り沙汰されていなかった植田氏の指名報道で市場が波乱の動きになりました。現在の金融政策に対するスタンスが全く不明な状態での浮上でしたから、第一報に対するファーストアクションはドル売りの警戒ムードでしたが、同氏が記者団に対し「現状では金融政策の継続が必要だ」とコメントしたことで安心感から一気に買い戻しに。今週は改めて政府が正式に国会にて指名し、日本の日銀総裁人事は収束しました。就任後の最初の日銀金融政策決定会合は4月27-28日です。
今週はアメリカの重要指標が相次ぎました。
14日に発表された1月のCPIは予想+6.2%に対し、結果+6.4%とインフレ率自体は7カ月連続で鈍化したものの、予想は上回ったことから直後は乱高下した動きでしたが、徐々にじりじりとドル買いに。さらに15日に発表された1月小売売上高が予想+1.8%に対し、結果+3.0%と約2年ぶりの大幅増加になったことからドル円は買われて134円台まで上昇してきています。
今週はNY連銀の最新調査でも、直近のインフレに対して「高止まりすると見込んでいる」という内容が示されました。FRBの要人発言はタカハトまちまちではありますが、経済指標を見る限り、経済の力強さを感じさせる内容が多く、市場の反応は『年内の利下げ懸念後退』です。買い向かうには恐々な水準というの認識の方もいるかもしれませんが、言ってもまだ200日線の下ですから、ここをクリアできるかどうか、目先の高値の目安として見ながら注視しておきたいです。
その他に目を向けると、このところ気になるのがNZの洪水のニュースです。NZ政府は14日、大型サイクロンガブリエルにより、北島を中心に大規模な洪水被害が出てたことを受け史上3度目の非常事態宣言を発令しました。自然災害での発令は2011年クライストチャート地震以来です。今回の洪水は経済の中心地であるオークランドも大きく被害を受けており、一時的に流通等に影響が出て物価高になる可能性もあり、財務省・中銀の政策にも注目が怠れません。
NZドルは今は鈍い動きですが、落ち着きを取り戻せば復興需要に期待が繋がりNZドル押し上げ要因にもなります。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋・一部修正しました。
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