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中国経済回復に好感も、全人代報道に注視を2023.03.03

 先週末に発表されたアメリカの経済指標が好結果だったことから、ドル円は一段と上伸し、一時136.92の高値まで上昇しました。137円lowに200日線が推移していますから、あとわずかというところまで値を伸ばしてきました。昨年10月につけた最高値151.94から今年1月の安値127.21までの38.2%戻しが136.6ですから、ちょうど38.2%戻しにタッチです。

 その後は穏やかな動きに終始していますが、3月10日の黒田総裁最後の日銀会合は現状維持の公算、4月以降の新体制もまずは現在の金融政策の維持と見極めとなりますから、円サイドの早急な変化は出てこない可能性です。対してアメリカ側は景気後退懸念も一旦落ち着き、経済指標はじわじわと回復の兆しですので、もう少しドルが買い支えられる材料が出てくる可能性を注意しておきたいです。200日線を越えてきたら、次の目安としては50%戻しの139.60辺りを念頭に置いています。
 
 3月1日は中国の経済指標に好感する動きが見られました。2月の製造業PMIは予想50.5に対して52.6、財新が発表するPMIも予想50.2に対して51.6と好結果となり、中国寄与度の高いオセアニア通貨やユーロが買われました。とはいえ直前に鈍いCPIが発表された豪ドルはまちまちの動き。対して自然災害で緊急事態宣言を発したNZドルは一気に200日線を上回り、ユーロ円は12月の高値146.73にあとわずかまで迫る買いとなりました。
 
 中国の景気回復が恩恵となる国が多くリスクオンの流れになっていますが、3月5日から中国全人代が開催されます。ここで新たな役員人事が決定・公表されることになりますが、グローバル感覚の強い方々が減る可能性が強いという見方ですから、先々リスクになる可能性は頭の隅に置いておきたい点です。一部報道では、2003年に廃止されて以来の中央金融工作委員会の復活が示唆されています。となれば、今後さらに金融市場は共産党にコントロールが強化されると考える必要がありそうです。今回の全人代は習近平国家主席3期目スタートを実質告げるものであり、さらに自身の配下が多く要人起用される見通しですから、報道に注意してください。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋・一部修正しました。

 

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