いよいよ新年度が始まります。去年からの流れを引き継ぎ堅調に来た年頭の1-3月相場が、アメリカの銀行破たんで一気に大きくトレンドを変える事態になりました。特に金利面の見通しが大きく変わったのは印象的です。年始はターミナルレートが今の予想よりも今後ますます高まるだろうと踏んでいたのが、一気にしぼみ、金利市場では一部7月の利下げ迄織り込まれています。とはいえ、7月に利下げをする必要があるとしたらよほどの事態ですから、今はまだそこまで深刻に織り込まずに続報を静観しておきたいところです。
ただ、とはいえ利上げは次回5月のFOMCで25bpやって打ち止めになるという市場予想は否めません。今後のドル投資をどう考えていきましょう。
ドル円相場に限り、4月相場の動きが近年どのようになっていたかをユーロ発足の1999年以降を見てみました。すると、その年の高値を付けたことが2009年、2011年、2019年と3回ありました。いずれの年も為替相場を振り返るとあまり良い印象がありません。2009年はリーマンショック翌年、2011年は3月に東日本大震災があったばかり。2019年はドル円が長らくボラがなく年間変動幅が10円前後だった非常にトレンドがなく動かなかった相場という感じです。この3つの年は、自分のFXトレードの記憶の中でも買いでも売りでもドルで取れたという印象がありません。4月高値を付けた年3回はいずれもこうした相場でした。
では逆に安値を付けた年があったかというと、99年以降現在まで、4月安値が1回もありませんでした。4月にFOMCが開催されないこと、新年度相場で月後半からは生保などのドル買い需要が出てくることで安値を探る動きが出づらいという側面も影響していそうです。ただ、その他の月を見ても、5月、6月が年間の安値が99年以降1回、7月、8月は4月同様無し、9月がやはり1回という記録になっており、全体的な傾向は為替相場の安値は比較的10-12月・1-3月でつけにいく傾向が強いことが表れているといえます。
こうした傾向だけを取ってみると、ここでドルの現在での23年安値1月の127.21を割ることを今すぐ警戒するよりは、少し下値があれば拾ってスワップポイントを意識してスウィングで回しても良いかもしれません。
あくまでこの時期に安値がないのは99年以降現在までの「傾向」ですから絶対ではありませんが、手掛かり材料が見えないときは季節的な動きも一考としてご参考に。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋・一部修正しました。
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・出版社 : 株式会社西東社
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