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米雇用悪化の確認となる注目の雇用統計2023.04.07

 先週までの堅調な出直りが一転、今週のドル円相場はまた鈍い動きとなっています。4日に発表された米2月の雇用調査によると、求人予想が1040万人だったのに対し、結果993.1万人となり、2021年4月以来の1千万人を下回る結果となりました。直近では米製造業の国内回帰(リショアリング)も増えて国内の雇用創出につなげる方向性ではありますが、目先は求人の冷え込みが深刻なものになるのではないかという不安感から経済減速不安のリスクオフとなりました。とはいえ、3月の雇用統計を前に調整的な意味合いも強いですから、雇用統計で強い数字が出れば一気に巻き戻されることになると思います。目先的な動きですからあまり振り回されずに見ておきたいところ。

 その労働省が発表する雇用統計ですが、ロイターの予想は、NFP予想中央値が24万人増で前月31.1万人増から鈍化見通し。失業率予想は3.6%で横ばいとなっています。ただ、予想値集計に含まれた米金融機関はいずれも「直近の金融システム不安」が加味されていないとしていますので、今回の数値が鈍化を示すものであれば、更なる中期的な雇用の鈍化という市場織り込みになるかもしれません。分岐点になるか、不安が一旦遠のくのか、注意してみておきましょう。
 
 サプライズだったのは、5日に発表されたNZの政策金利です。予想25bp引き上げて5.00%という内容でしたが、結果50bpの大幅利上げを決定し、政策金利は5.25%となりました。これを受けてNZドルは急騰しています。直近では利上げ停止を示唆する各国中銀が増える中ですから、結構大きなサプライズです。発表の瞬間に82.90から83.90まで一気に1円上がりました。またRBNZは声明の中で「インフレ率は依然として高く根強い」としていますので、まだまだ利上げ余地があることを印象付けるような内容になっています。ちなみにNZの政策金利が5%まで上昇してきたのは、2008年12月以来14年9カ月ぶりとなります。IMFの統計を見ると、2000年以降の現代経済においてNZの政策金利が8%台まで乗せるなど非常に高かった2008年の年間インフレ率が3.96(10月の集計)、対し直近2022年が6.28ですから、インフレ抑制に重きを置き、世界で一番最初にインフレターゲットを採用したRBNZはまだ抑制のための手綱を緩めなさそうです。

※当コラムは、水曜日発行の会員向けレポートより抜粋・一部修正しました。

 

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