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欧州通貨は軒並み対円年初来高値2023.04.14

  市場が大きく注目していたアメリカの3月消費者物価指数が公表され、前年比が市場予想の+5.1%を下回る+5.0%となり、9カ月連続鈍化が確認されました。インフレ抑制が確認されており、この点はFRBの進めてきた方針通りに進んでいる印象ですが、その代償としての景気減速感は強まる結果になりました。また減速感の大きな一助となっているのが銀行の信用収縮を背景とした需要の抑制がインフレをさらに押し下げるが、収縮によって企業活動を停滞させることにもつながっていきます。

 実際に先月発生したシリコンバレーバンクの破たんを機に、金融機関の与信基準で一段の厳格化が見込まれ、すでに貸し出し減少が数字になって表れていることをサンフランシスコ連銀総裁もコメントしています。
 
 CPIと同日発表された3月のFOMC議事録では、FOMCスタッフが今年中に穏やかなリセッションを予測していると含まれており、今年後半の米経済の鈍化は既定路線となってきました。引き続きインフレ抑制が必要ではあり、そのための行動(利上げ)を否定していませんが、残り回数1回25bp引き上げという見込みは変わっていません。むしろ政策金利を現在の水準で高止まりさせられるか、早ければ年末にかけていったん利下げで調整をするという見通しも出ており、どの内容を見ても米ドルにとっては下げ材料です。
 
 ドル円の週足一目均衡表を見ると、現在雲の下限で止まっていますが、この雲を下抜けてくると21年2月に105円前後で上抜けして以来の変化です。中長期でドル円を見るうえでの大きな変化になりそうなので、5月のFOMCに向けてしばらく週足一目の雲の下限になる132円前後を完全に下抜けしてくるかどうか、その変化に注意しておいてください。
 
 こうしたアメリカの景気減速や利上げ打ち止め感が強まる中で台頭しているのが欧州通貨です。直近ではユーロ円、英ポンド円、スイスフラン円が年初来高値を更新しました。その他の北米通貨、オセアニア通貨と比較すると、対照的な動きになっています。特に代表的なユーロ円は直近で146.66の高値を付けましたが、目先は昨年10月の高値148.40を抜き、2014年の高値149.76を上抜けられるか注目です。この大きなダブルトップを抜けるとユーロ円の景色が変わりますね。ユーロ円も政策金利が引き上げられスワップもつくようになってきました。ここからはドル円からユーロ円へ切り替えてのスウィングも一考です。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋・一部修正しました。

 

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