トップページ > 株式投資コラム > 横尾寧子のFXのはじめかた > 目先の手がかり材料は無事通過しドル円回復

目先の手がかり材料は無事通過しドル円回復2023.04.28

 先週懸念していた米企業決算に絡む内容で、再び地銀不安が台頭してリスクオフになってきました。今救済不安が出ているファーストリパブリック銀行は週初に預金額が前年比で35.5%減少していることが公表され、さらに民間救済が失敗し、政府の管理下に入る見通しであることが伝えられると一気に不安ムードが広がりました。さらに一部の報道では、政府サイドが介入を望んでいないようだと伝えらえれ、不安感はまだ払しょくされませんでした。

 こうしたリスクオフの動きを背景にドル円も伸び悩む動きがありました。28日は日銀会合の結果を受けて再び上伸して135円台回復となりましたが、同日米政府高官もファーストリパブリック銀行の救済に向けての段取りが進んでいるとコメントし、目先で不安視されていた手掛かり材料がそれぞれ無事に通過となりました
 
 リスクオン、オフを繰り返した今週でしたが、少しスィイング目線で堅調な動きを続けているのが欧州通貨です。スイスフランは利上げや活発な為替介入なども背景にリスクオフ通貨として選好され、対円で151.51迄上昇して2000年以降の最高値を更新、対ドルでも昨年11月の高値から半年かけて約13%の上昇になるなど、力強い動きを見せています。
 
 ユーロ円の動きも悪くありません。今週25日のリスクオフ地合いが強まったときには日足でも大きな陰線を引きましたが、日銀の結果を受けてリスクオンの相場の中で高値を更新し、直近で148.67迄上昇してきました。来週は5月1日のメーデーの祝日もあり、連休対策でポジション調整も入りやすいタイミングですが、下げる場面は現状の状況では押し目買いもチャンスと考えています。
 
 また連休中の5月4日(木)にはECB会合が行われます。まだ高いインフレの抑制に迫れているため、追加利上げが予想されていますので、来週も注目が怠れません。同日にはBOE会合も予定されています。英国も先週のコラムで取り上げたように高インフレのピークアウトが見られない状況です。
 
 その他連休中は、5月3日にFOMC、週末には米4月雇用統計と例年通り今年のGWも相場が動く要因が多くあります。この時期は国際情勢で大きな起点になることが多い印象もあり、日本だけがお休みで、為替相場は通常通りに動いていることをお忘れなくお過ごしください。
 
 植田総裁体制で最初の日銀金融政策決定会合(4/27-28)
・長期金利の0%誘導を維持=変動幅上下0.5%程度も維持
・マイナス金利政策を据え置き
・長短金利操作を柱とする現在の金融緩和策を据え置き
・フォワードガイダンスを修正
・粘り強く緩和継続で賃金上昇伴う形で2%物価目標の持続的・安定的実現目指す
・必要あればちゅうちょなく追加的な金融緩和措置講じる
・長年の金融緩和策を多角的に検証することを決めた
・金融政策について、1年から1年半程度時間かけ多角的にレビュー行う
・マネタリーベースは物価が安定的に2%超えるまで拡大方針継続
・経済がデフレに陥った90年代後半以降25年にわたり物価安定実現が課題だった
 
【展望リポート】
・23年度物価上昇率見通し、1.8%に上方修正=従来1.6%
・24年度物価上昇率見通し、2.0%に上方修正=従来1.8%
・25年度物価上昇率見通し、1.6%

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋・一部修正しました。

 

◇◆◇横尾寧子監修の新刊 発売のお知らせ◇◆◇

ゼロから始められる!マンガFX超入門 

FXアドバイザー横尾寧子の監修した新刊がこのたび発売されました!

この度、新しいFXの書籍の監修をさせていただきました。
FXをマンガで解説、分かりやすくFXの仕組みやノウハウがまとめられています。マンガと侮るなかれ!初心者の方がFXを始めるのに抑えておきたい情報はしっかり収めた1冊になっています。
これまで多くの書籍の著者・監修と携わらせていただきましたが、過去最高に分厚い一冊になりました。お手に取っていただければそのずっしりとした情報量を実感していただけると思います。文字も大きくて見やすく、FXをするお隣にそっと置いていただける1冊になりました。
多くの投資家の方に手に取っていただければ幸いです。
・発売日 : 2023年1月25日
・出版社 : 株式会社西東社

インターネット有料情報(コラムページ用)インターネット有料情報
☓ バナーを閉じる

有料情報「早見雄二郎の特ダネ株式ニュース」 お電話または、インターネットで早見独自の株式投資情報が手に入る有料サービス

電話有料情報(情報料300円)インターネット有料情報(情報料300円)はこちら