介入を誘う攻防2023.09.29

 連日、鈴木財務相の為替相場に対する懸念発言が続いています。直近では日に2回も同様の(代り映えの無い)発言をする日も出ており、さすがに2度目はちょっとドルが売られるなどの攻防を繰り返しながらも149.70まで高値を付けてきました。150円の大台を前後して介入するだろという投資家サイドと当局との攻防が繰り返されています。大台乗せからドテンでショートにしたいと見ている投資家も多いと思いますが、今ではドルのショートの支払スワップは去年よりもさらに高いですし、去年は151円台後半に金曜日の夜23時半過ぎという考えにくいタイミングでの覆面介入でしたから、大勢の裏をかいて来るということも念頭にショートで入っておくのならば、支払スワップに耐えうるボリュームを考えてください。
 
 その他の通貨を見ると、今月の金融政策会合で色良いが変わったなという印象ですね。これまで地味に強かったスイスフランですが、21日の会合で25bpの利上げ予想に反し、据え置きを決定しました。前日には先行きの経済見通しを下方修正していたことからも、まだ利上げ打ち止めを示したわけではありませんが、トレンドを大きく変えたことは間違いなく、週足で8月末にきわどく陰線つつみ足になっていましたが、その後素直に下げ基調になったことが確認されました。英ポンドも同様にBOEは金利据え置きを決定し、日足チャートで雲下抜け目前の動きになっています。
 
 対して強いのは引き続きカナダドルです。原油先物は28日の東京時間に一時95ドルまで続伸してきました。カナダドル円は原油相場をにらむ展開が続いており、直近で110.87まで上昇して昨年9月の高値110.52を上抜けしました。この水準は2007年秋につけた125.51以来のカナダドルの高値水準です。まだ原油の強さは続きそうな地合いですから、引き続きこのカナダドルには妙味を感じて見ています。
 
 さて、来週は中国が国慶節でお休みですが、それを前に恒大集団問題がまた取り沙汰されていますので、市場参加者はいなくとも、当局の動きは注視が必要そうです。
 
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋・一部修正しました。
 

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