日本の物価高対策と円安2023.10.20

 イスラエルとパレスチナでの紛争が悪化・長期化しそうな雰囲気が強まってきています。長期に及ぶロシアのウクライナ戦争に対して、世界の関心が薄れる中で中東での悲惨なテロや爆破が連日報じられ、イスラエルの報復に批判的なデモが世界各地で勃発するなど、中国・ロシアから見ると幸いなタイミングだったといえそうな雰囲気です。あまりいい雰囲気ではないですね。ドル円相場は150円近い水準での高止まりが続いており、その他通貨でもドルが買われています。利上げ停止見込みで下げていた逃避通貨のスイスフランは対円で8月末の高値166.59を突破して、167.18と最高値を更新するなど、地政学的リスクの悪化に構えた有事体制の為替市場が続いています。ここからドル円をさらに買うのは高値ですから勧めませんが、かといって売ることはできません。原油先物は情勢による日替わりで大きく下げたり下落するなど激しい動きですから、カナダドルにもあまりトレンドがありません。波乱の秋さながらの展開ですし、波乱は一段と強まる可能性もあるのでキャッシュ比率を高めることをお勧めします。(こういう時に突っ込んで、何度大きくやられたか・・・大きく突っ込むの時期はまだここからあるはずなので今は静観です)
 

 こういった局面でドル円も高止まりが続いていますが、相変わらず150円が防衛ラインで大きく機能しています。この150円にはオプションもかなり観測されているので、この上を超えてくるのは考えづらい状況。高止まりはまだまだ続くかもしれません。

 ただ、この長きにわたる超円安局面で、国民の家計負担が強まっていることを是正したい与党の雰囲気の変化もうかがえます。

 今週自民党がまとめた経済対策を見ると、原則岸田総理の経済の5本の柱に沿っていますが、物価高対策に重点を置いているのが分かります。エネルギーや食糧を輸入に頼る日本は円安が大きく物価高に影響しており、現在のCPIは3%台で高止まりの状態です。円安が解消されなければ=物価高が続くことになるので、アベノミクスで推進してきた円安・株高・金融緩和路線を今後修正していくという流れも感じさせられます。

 円安2年目の秋となりました。財務省は直近でもレートチェックや恐らく覆面での介入を実施していますが、円安抑制には至っていません。内閣支持率も振るわない中、国民生活を守るという経済の柱に沿って、今後政府の方針がさらに変化する可能性もありますので、臨時国会以降、引き続き政府・自民党の発信に要注目。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋しました。
 

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