ただこうしたFOMCの結果を受けても、依然としてドル円は150円台ですし、中東情勢は日に日に悪化する中で今はドルを売るのは難しい状況も続いています。11月1日の朝から、神田財務官の発した「介入についてスタンバイ状態だ」という姿勢にはまだ警戒が必要です。サプライズなタイミングを狙いやすい同氏ですから、祝日や深夜早朝など、ドル円取引の薄い時間帯等、十分に気を付けてお過ごしください。
先日ご逝去されたバイロン・ウィーン氏同様に、年始の10大サプライズが近年一段と注目されるユーラシアグループのイアン・ブレマー氏は、現在の中東情勢についてイスラエルとハマスの戦争犠牲者数は今よりはるかに多くなり、戦火はより拡大する。米軍は中東地域で直接戦闘に巻き込まれ米兵の犠牲がかなり出ることから、来年2024年のバイデンの選挙戦は厳しいものになる可能性が高いとしています。
本当に米軍の被害が拡大していく流れになっていく場合は、見方が変わってきます。現在の「有事のドル買い」という言葉は9.11以降生まれましたが、これはアメリカ本土が初めて攻撃され、国一丸となって復興等に立ち上がった背景もありましたが、今回の場合は中東ですので、いつまでも「有事のドル買い」を想定するわけにもいかなくなる可能性を考えておきます。むしろ、9.11前に立ち返れば「有事の円買い」の方向性も否めません。
とはいえ目先はアメリカの雇用統計です。直近で発表された10月ADPは予想+15.0万人に対し+11.3万人、一方JOLTS求人件数は予想925.0万人に対し、955.3万人と好悪分かれる結果となりました。今週末の雇用統計で鈍化が見られれば、市場コンセンサスが完全に利上げ打ち止めに変化してきそうですが、強い数字となれば日本の当局が動きそうです。3連休初日の夜ですが、11月3日(金)の21時半にご注意ください。
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