2024年は選挙イヤー2024.01.05

 明けましておめでとうございます。元日に発生した能登半島地震の被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。

 為替相場の2024年市場コンセンサスは、FOMCの今年6回利下げ見通しが根強く出ていますが、相場を見ると年末は140.25まで下げたドル円が年始は反発スタートです。この円安の一因として能登半島沖地震の影響を加味し、日銀行動が予想よりも遅れるのではないかという見込みが円売りにつながっているという思惑も。なお、大発会当日の日銀植田総裁の発言「震災後は銀行と連携する。賃金水準と物価水準がバランスよく上昇することが期待される。」じわりとドル買いで反応しています。とはいえ、こうした想定外の大きな事態に見舞われて方向感がつかみにくいですが、まだ今年のトレンドが相場に反映されてきているわけではないので、決めつけずに動きを見ていきましょう。

 今年2024年に大きく変わる1つがRBA会合です。これまでは1月を除く年11回、毎月第1火曜日に会合が行われてきましたが、今年から年8回に変更になります。RBAの2024年1回目の会合は2月5-6日、結果の公表は日本時間で13時半と変更ありません。これまでは覚えやすい第1火曜日だったのが大きく変わりますので、会合を睨んだ相場の動き方が変わってくると思われます。利下げ思惑、追加利上げ思惑などがあると、会合前に相場が反応していくのが常ですが、今後はその会合スケジュールが変わり、他の先進国にそろえたスケジュールになります。これまでRBAだけが規則的で過密だった会合スケジュールがあり、豪ドルだけが一人ポンと思惑で動意することもありましたが、今後はみな同じ時期に会合が重なるので、こうした豪ドル単独の狙いがなくなってきますね。

 今年は1月13日に台湾総統選挙、7月東京都知事選挙、11月は米大統領選挙、そして年内に英国の総選挙も予定されるなど、大きな選挙が控える年です。英国は2016年に行ったEU離脱を国民の半数以上が「失敗だった」と考えており、こうした世論も踏まえた選挙戦になるでしょうから、ポンドも大きく動きやすい年と思われます。まずは来週末の台湾総統選挙。与野党拮抗しており、親中派、中国独立派と どう転ぶか分かりません。地政学的リスクの懸念が高まりと見られればドル買いに傾きやすいですから、選挙後の週明け15日の動向に注意して選挙結果を見ていきましょう。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋しました。

 

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