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米利下げ期待遠退き、日銀動向に注視2024.02.22

 先月末に開催したアメリカのFOMC議事録が公開され、参加者が政策金利はピークに達した可能性が高いと判断し、インフレ抑制に進展があるとこれまでの金融政策の効果を認めたうえで、現状では依然として米国の経済指標も強いものが多く、早期の利下げは慎重にという意見が支配的だったことがうかがえる内容でした。

 このようなドル円相場は高値で膠着、クロス円もじり高というところで、突出して円キャリーが進んでいるのがNZドル円です。

 NZドルについては2月9日にオーストラリア・ニュージーランド銀行が2月(28日)、4月(10日)に25bpずつ計2回利上げをして、金利を6.0%まで引き上げると予想したことから買いが入っています。月足チャートを見ると。2007年の高値(97.83)、2014年の高値(94.04)を結んだ右下がりの抵抗ラインを抜いてきました。現在93円近辺ですから、あと2回の利上げ思惑を背景にもう一段の伸びが期待できそうです。金利も高いですからスワップを意識して遅ればせの参戦も投資妙味がありそうです。

 

 

 同じような感覚で豪ドルを見たくなりますが、月足チャートで豪ドル円を見ていただくと分かるように、形が違います。豪ドル円はまだ抵抗ラインを抜けていませんし、中国経済の減速の影響も大きいので注意してください。

 また冒頭で書いたようにアメリカの利下げ期待が後退となると、同じ経済圏で恩恵の深いメキシコも早期利下げ期待が遠退きやすいという思惑もあり堅調な動きが続いています。現在のメキシコの政策金利は11.25%で対円では高値圏の8.83近辺で推移しています。ただ、かつて円キャリーが活発で当時としてドル円高値を付けた2007年当時、メキシコペソは対円で11.00水準でしたから、今も最高値にはまだ遠く及んでいません。こうした水準は買いやすいともいえるかもしれません。ただし、先のNZドルとは違ってメキシコは新興国通貨ですからその点はよくお含みおきを。

 後は日銀動向ですね。日経平均は当コラムを書いている2月22日前場に1989年の終値最高値である38915.87を抜いてきました。こうした経済の堅調さの中で日銀がマイナス金利解除に向かう道筋は立てられつつありますね。アメリカの利下げ期待が後退しつつある中、ドル円相場の動きのトリガーになるのは日銀動向となっていきそうです。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋しました。

 

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