日銀が19日、事前予想通りにマイナス金利解除を決定しました。公表されたのは12時35分でしたが、その20分ほど前には日銀がマイナス金利解除提案を政府に提出したことがNHKの速報で報じられました。こうした直前にNHKが報じるという流れも2000年8月の利上げ当時にあったようですが、近年例がなかったので公表前に提案ベースで速報が流れるという状況に驚きがありましたが、出てみた内容は事前予想通りの「マイナス金利解除・YCC撤廃・ETFとREIT買い入れ終了」でした。事前予想通りだった割には、全会一致ではなく7対2だったことで意外と思ったよりもハト派という印象も受け取られた点がありましたが、内容自体はそこまでハト寄りだとは言いかねず、将来の利上げを否定するものではありません。一部の予想では来年中には政策金利1%に達するという見込みもありますが、ここまで長年動かなかった日銀が急速に利上げに踏み切るとは考えにくいですが、インフレファイターの植田総裁に俄然注目です。
この17年ぶりの利上げを受けてのドル円相場は事前予想段階でいったん円高を試していたこともあり、決定前に材料織り込み済みとなり、決定後にはじりじりと150円台乗せまで再びの円安基調となりました。
続いて注目のFOMCは5会合連続の政策金利据え置き(5.25-5.5%)の決定となりました。これも事前予想通りでしたが、事前の思惑は「タカ派」でしたが、今年3回の利下げ見通しを維持したことで思ったよりもハト派と受け取られドル高が一服する動きになりました。ただし、利上げ開始時期は言及されていません。ドル円相場はFOMCの公表前に151.81の高値を付けて、一昨年来の151円アッパーを記録し日銀介入に警戒水準ではありましたが、FOMCを受けて一旦調整し150円前半の動きになっています。ドル円相場については目先の重大なイベント通過となり、日米金利差と株高連動という状況を鑑みるとこの高値圏でのもみ合いがしばらく続きやすく、為替市場要因よりも株価連動の動きが強まる可能性も。またアメリカ経済に連動性の高く産油国通貨でWTIとの連動性も高いメキシコペソ(政策金利11.25%)は米経済堅調と原油上昇を背景に引き続き堅調地合いで対円で2008年以来の高値となっています。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋しました。
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