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介入警戒感と介入を煽る動きの攻防に2024.03.29

 今週は円安が一段と進み、3月27日にはついに151.97の高値を付けて1990年7月以来33年8カ月ぶりの高値更新となりました。トリガーになったのは田村日銀審議委員の「ゆっくりと着実に正常化を進め、大規模緩和を手仕舞う」といった発言です。同日政府・日銀は3者会合(財務省、金融庁、日銀)を行い、終了後に神田財務官は「あらゆる手段を排除せずに適切な対応をとる」と発言し、円相場は一旦様子見の動きになっています。22年は実弾投入するも、23年以降は介入するぞ!するぞ!の姿勢を示すだけで実弾が入らないまま来ましたが、ついに3月に日銀が金融政策を大幅に変更しました。頼みの綱?であるFOMCの金融引き締めは後ずれになっていることから、日米金利差は依然として円安の大きな追い風になっています。他国の金融政策の変化による円安の減速を待つのは難しい状況ですから、いつどこで行動してもおかしくはない状況です。

 22年の介入は9月22日に日銀が金融政策会合で現状維持を決め(11時50分公表)、その直後にドル円相場が24年ぶりの145円台乗せ、そして夕方実弾介入実施で140円台まで円高になりました。なお、介入直前の14日には144.90台でレートチェックもありました。

 ただいったん鎮静した円安も再び強まり10月21日には151円台まで上昇したため、23時30分ごろから覆面介入で146円迄急激に円高になりました。その後の公表で5兆6202億円の実弾が投じられたことが分かっています。

 その後は23年1月にかけてドル円相場は130円割れまで進み円安一服となっていましたが、その後の動きもご存じの通り現在151円アッパーで152円をうかがう動きです。レートチェックで落ち着く地合いではありませんが、何かと為替についての言及が増え、そしてマーケットはその言及に次第に慣れという構図になってきます。とにかく神経を使う局面ですし、海外時間も侮れませんから放置のロングポジションには注意してください。

 その他、先週21日にはスイス中銀がサプライズの25bp利下げを実施しました。利下げは9年ぶり、政策金利は1.50%へ引き下げられました。声明では想定よりも早いペースでインフレ率が低下していたことで利下げに踏み切ったとありました。これまでインフレ抑制のためにスイス中銀はスイスフラン買い介入を実施してきましたが、ここからはフラン売りになる可能性も。史上最高値を更新し続けてきたスイスフラン円の長期右上がりチャートも終焉か。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋しました。

 

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