高インフレ抑制の道遠く2024.04.12

 アメリカは物価高のインフレ状態が続いていることが10日に発表された3月CPIでも確認されました。特に直近では原油高でエネルギー価格が高騰していることが背景にあり、CPIの数値自体は2022年の約9%のピークからは大幅に鈍化しているものの、一段の抑制にはまだ遠いことが確認されました。少なくとも今のCPIを見る限りは、利下げ議論は時期尚早と言わざるを得ない物価高状態です。GSは年3回の利下げ予想を2回に修正(7,11月実施予想)、UBSも同じく年2回に修正し、時期を7,9月とするなど、早期利下げを打ち消すような修正が相次ぎ、ドル円相場は90年6月以来役34年ぶりとなる153円台まで上昇しました。こうした動きを受けて政府・日銀の為替に対するコメントも増えてきてはいますが、世界の市場参加者は介入に対して次第に押し目買いポイントと見るような雰囲気が強まっていることが感じられます。実弾介入で為替抑制が難しいまま円安が進み日本のインフレにも懸念が強まるようであれば、実弾よりも日銀の金融政策会合での動きに注意が必要かもしれません。日銀の金融政策決定会合は4月25、26日に開催です。「大型連休前だから何もしないのでは?」とコメントが出てくるかもしれませんが、過去には連休入り直前に追加緩和を決定(2012年4月27日)するようなこともありましたから、連休前だからという見方は忘れましょう。特に日本は大型連休ですが、海外はmayday以外は平日ですから為替も株も動きます。ただ、日銀としては3月19日にマイナス金利を解除したばかりなので、立て続けに動くとは通常は考えられませんが・・・。

 このところ報道が多いのはメキシコペソですね。金融専門番組でも特集を組まれていることがありますが、今のキャリー通貨の主役として高値を追い続けています。3月には利下げを実施しましたが、依然として11%の政策金利があります。政府サイドもペソ高を歓迎していますが、目先では急騰するペソ高に中銀サイドから口先介入が入ったりという動きはありました。まさにそこが押し目買いになり堅調な強さを維持している印象です。

 10日にはNZの金融政策会合もあり現状維持。声明を見ると、前回追加利下げを期待された2月28日の会合から何も変わっていないと報じられ、NZドルは再び売られる動きになりました。ただ、突っ込んで売られた分、週足、月足共に高値圏ではありますが陽線つつみ足になっています。これまで過去20年と見比べればNZドルは最高値圏に顔合わせしていますが、日本の円安水準は30年以上ぶりというところですから、高値だからと陽線つつみ足がダマシになるとは言い切りづらいところです。世界的にエネルギー価格の上昇が物価高を再加速させている状況ですから、推移を注視しています。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋しました。

 

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