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インフレ抑制から労働市場防衛へ2024.09.20

 9月FOMCで50bpの大幅利下げが発表され、発表前の142円前後の水準から140.41まで下げましたが、その後はショートカバーが強まり143円アッパーまで買い戻されてました。こうした動きは利下げ幅への動向というよりも、直近で売られていたドルポジションの巻き戻しという一時的な面が強いと感じられます。

 さてそのFOMCですが、今回のパウエル議長の発言内容を見ると、これまで強くメッセージに出してきたインフレ抑制がある程度目標に達しつつあり、完全雇用状態の今の労働市場を維持するためにもソフトランディングに向けて前向きに早めに手を打ったという意思が示されました。今回の50bpという大幅利上げに対し、全会一致ではなく1名ボウマン理事が25bpの利下げを主張し反対票を投じる結果となりました。この反対票が投じられたのは2005年以来実に20年ぶりのことです。また今後の金融政策の方向性について、最新のドットチャートでは年内追加50bpの利下げが含まれるものの、パウエル議長は利下げペースの加速も減速も停止もありうるので、適宜調整と強く主張しました。

 尚、次回のFOMCは11月で、現状でのFEDウォッチは25bp利下げが62.2%、50bp利下げが37.8%となっており、追加利下げが見込まれています。ちなみに11月のFOMCは5-6日開催で、結果は6日の夜(日本時間7日の深夜)になりますが、この11月5日は注目の米大統領選挙です。開票結果が出るのが日本時間で6日の午後になるかと思いますので、この秋最大の注目イベントが目白押しとなります。場合によってはこの前後に日本の解散総選挙が入る可能性も無きにしも非ずでしょうか。

 いずれにしても今は1つのイベント通過であく抜けとなりました。ショートカバーが落ち着いてからのトレンド判断になりますが、このところ急ピッチで円高が進みましたので小休止もあるかなと思います。今月の高値の目途は前月の月足終値になっている146.14、これを上抜くと月足が陰線から陽線に変わりますから、10月は初旬はドル買い優勢となるかもしれません。とはいえ抜けずに引けても3カ月連続陰線ですから、一旦10月は買戻しに妙味か。ただ、いずれも短期で見てください。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋・追記しました。

 

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