いよいよ選挙が近づいてきました。まずは日本ですが、一方では与党過半数割れと報じ、一方では過半数の見通しと混戦でギリギリのところであるという報道が続いています。どちらに転ぶも非常に難しい状況ではありますが、与党が過半数を取るようであれば、石破政権がスタートした直後の日銀への利上げけん制(その後けん制ではないと打ち消しましたが、けん制です)もあり、利上げ期待が当面膠着・後退し、リスクオンの流れが出てきそうです。
ただ、その後に控える選挙イヤー2024年の総決算ともいうべき大統領選挙が大きな焦点になってきますが、こちらも見通しが非常に拮抗しています。前回2020年の大統領選挙もそのような状況で結果バイデン・民主党の勝利になりましたので、今回も雰囲気的にはハリス候補に分がありそうです。良いか悪いかはともかく、ハリス氏の勝利となれば相場の雰囲気は今の流れの踏襲になりそうです。ただ、トランプ勝利を見込む線も消えていません。実際にトランプ氏が当選した場合には、輸入車全てに対して20%の関税(中国車は60%)を課すと公約していることからも、直近でユーロ売りにつながっているのではないかという見通しもあります。ユーロドルを見ると、9月末からガラガラと崩れ高値の1.1214から直近安値1.0853まで4%近く下げています。トランプ勝利なら再び世界を席巻する貿易戦争への懸念もあり、そうした警戒も見え隠れするような相場地合いになっています。
ユーロドルに対しては、それだけではなく利下げの最終的な政策金利の着地点として、米が3.5%前後に対し、欧が2%前後と見ていることから、金利差面に着目してもユーロ劣勢です。
円相場に関しては、近々のFEDウォッチが11月の利下げ見通し確率が94%まで上昇してきました。米大統領選でも注目されるベットメーカー(の中でも、現時点で利下げ確率は25bp引き下げに80%となっていますからこの点は米株に追い風であり、利下げも織り込まれていると踏まえ、当面利上げから遠ざかった円との金利差もドルに追い風になりそうです。ただ今は政治で大きく方向性が左右する時期ですし、投票前は思惑の大きな動きも出やすくなりますから、機動的に軽いポジションでスキャルやデイトレに徹し、値ごろ感での長期ポジション取りは絶対にお勧めできません。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋しました。
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