日本の総選挙が終わり、いよいよ選挙イヤーの2024年最大の山場であるアメリカ大統領選挙が、来週11月5日(火)に迫ってきました。ブックメーカーの予想は依然としてややトランプ優勢に見えますが、2020年の総選挙も同じような予想の中、結果バイデン・民主党の勝利となり初動はドル買いもあまり続かず下落していきましたが、年が明けて就任以降はドル高にシフトしていきました。
今回はどのようになるのか?選挙は最後の最後まで全く分かりませんが、投票を目前に控えた直近の動きは、トランプ当選リスクを背景にアメリカ第一主義を唱えるトランプ氏の方針への懸念から新興国通貨が軒並み軟調な動きになっています。トランプ当選を前提にドルの一段の上昇を見込んだロングを推奨するHFなどもありますが、思惑を高めているような向きもあるので話半分で見ています。なにせ選挙は水物ですし、何よりもアメリカ大統領選挙は分かりにくく影響力も高いので、毎回ポジションは持ちません。大統領選挙の開票結果は、日本時間で11月6日(水)の朝から取引時間中に報じられますから、アジア市場は速報動向に一番一喜一憂させられます。
また直近ではアメリカの7-9月期GDP速報値が公表されましたが、+2.8%で予想+3.0%には届きませんでしたが、10期連続プラス成長で経済の底堅さが確認されます。GDPの7割を占める個人消費も予想+3.3%に対し、結果+3.7%と堅調で、今後FRBがソフトランディングの金融政策を進めるうえでの自信を持てる結果になったと言えます。この点からも、ドルが他の通貨と比べて比較的高い金利水準を維持出来るのではないかというファンダメンタルズの側面からもドル優位の動きが続きそうな情勢です。
とはいえ、今後の方向性については選挙結果が出てから考えていきましょう。
追記:10月31日に日銀会合で据え置きが公表されました。植田日銀総裁の会見では「時間的余裕」という表現についての追及に対し「時間的余裕という表現は6-7月から9月上旬に心配されていた米国のダウンサイドリスクを見極めるために使用していた」と回答。金融政策は毎回の会合で判断するという発言を受けて、再び日銀の追加利上げ期待が強まりドル円相場は急落しました。ドル円相場はこのままいくと今月は月足陽線で終わりそうです。先般の当コラムで99年以降、7-9月3ヵ月連続で陰線を付けた後10月に陽線になった3回とも、すべて11月は陰線になっていることについて触れました。今年の11月はどうなっていくかを次回は考えたいと思います。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋しました。
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