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来年の利下げ予想回数減にドル買い反応2024.12.20

 アメリカは年内最後のFOMCは3会合連続で25bpの利下げを決定し、政策金利は4.25-4.50%に引き下げられました。2024年1月には5.25-5.50%の政策金利がありましたから、1年間で1%を段階的に引き下げたことになります。

 利下げは1名反対(据え置きを主張)があり全会一致とはならず、来年の利下げ見通しは9月時点の年4回から年2回に減少、現状では依然としてインフレに警戒しているという内容で市場は「タカ派」と捉え長期金利は上昇し、米株は大きく下落、ドル円相場は金利上昇を受けてドル買いが進み、一時154.86迄上昇して11月15日以来の高値となりました。FOMCを通過した米市場はかなり激しい株安ドル高の動きを見せました。

 そして翌19日は日銀が早々に金利据え置きを決定し(公表11:52)、この発表を受けてドル円相場は155円台乗せとなりました。

 この1年のドル円を振り返ってみると、ドル円は昨年12月に入って急激に円高が進み、2024年の始値は140.9でした。その後ドル円は一時161円台まで歴史的な円安が進みましたが、日銀の利上げ報道が出て来ると円高に進むなど、ドル高値圏で大きな動きが見られる1年でした。ドル円の月足は、7、8、9月の3カ月連続月足陰線、10月陽線、11月陰線、そして12月は現時点で陽線の可能性が濃厚です。ユーロ導入以降の1999年から現在までの年を見てみると、7月以降現在まで今年と全く同じ月足陰陽だった年が2007、2009、2017年の3回ありました。全く同じ通りの年後半が陰陰陰陽陰陽(●●●○●○)でしたが、その3回ともに、翌年は年足が陰線でした。年始の高値を年末下回って引ける年足の陰線です。今年も12月の年末現在が円安進行していますから、このままでいくと2025年年始も円安スタートが予想されます。FOMCの利下げ予想回数も減り、インフレ抑制で引き締め策が再浮上する可能性も無いとも言えませんから、ドルは買われやすい地合いになっています。

 とはいえ、1月20日にはトランプ大統領が就任し、新体制がスタートします。前回2017年の就任時には、就任直後に保護貿易主義で貿易不均衡相手国として日、中を名指しで批判するなど激しいスタートでした。今回は経済状況が違いますが、「何が出て来るか分からない」不透明感は変わりません。

 来週は欧米がクリスマス休暇に入りますから、短期ポジションはこの辺りで決済して、1年に一度、日本株の動きを見ながら為替のチャートを閉じる時です。薄いマーケットには触らず来年相場について検討のお時間に。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋しました。

 

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