ターゲットにゴールに2012.02.17

日銀は14日の金融政策決定会合で、脱デフレを目指した追加緩和策を継続し、資産買い入れ枠を9兆円から10兆円に増額することを決定しました。インフレ対策として、日銀初の1%インフレターゲット導入を決定したことが注目されました。

しかしこのインフレターゲットですが、正確にはインフレゴール。このゴールという言葉は先月FRBが2%のターゲットを導入した際に用いた表現であり、日銀はFRBの枠組みに近い形でインフレ対策を行うことを示したということになります。

インフレターゲットというと、ターゲットの数値に近付けるために中銀の金融政策の大きなかじ取りをさせる要因となりますが、ゴールという表現に含まれるのは「あくまで目指すもの」という曖昧なスタンス。消費者物価指数の数値がイコール金融政策の方向性を示すというような、従来取られてきたインフレターゲットの性格とは異なるため、これから投資家はこのインフレゴールという曖昧さにやや振り回されるのかな、という感も否めません。

しかしながら、日米両中銀は当面の間の緩和策継続、低金利継続が前提になっていますので、動意の材料として浮上することもあまりないと見ておけそうです。

ただ、今までインフレ対策をとっていない先進国中銀から、このゴールを用いたスタンスが出てくるかもしれないという前例になった印象も・・・。

※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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