資源関連の足を引っ張る材料として、先週末に米英仏から飛び出したのが、原油高高騰を受けた戦略石油備蓄の放出という姿勢です。実際に放出されれば原油価格の急落に繋がりかねず、資源通貨には重石になっています。
加えて豪ドルは3日の金融政策会合で、政策金利の4・25%据え置きを決定しましたが、声明の中で、「成長ペース、生産伸び率は予想より鈍化」「需要が大幅に弱まれば、一段の緩和的政策の余地あり」と示したことで、一時豪ドルは売られる展開となりました。3月19日には年初来高値の88円62銭まで続伸していましたが、現在は一服し、85円前半で推移しています。
この声明を踏まえ、次の5月の会合を前に最大のポイントになるのは、今月24日に発表される第1四半期CPIの数値になります。インフレ率が低下しているようであれば、一段の利下げの可能性を高めることにもなるため、CPI発表前後にはかなり神経質な動きになることを踏まえておきたいと思います。
豪ドルについては、同国の経済情勢のみならず、他国との金利バランスや安定度を踏まえて外貨投資全般での長期買いスタンスを見ていますが、テクニカルの変化やファンダメンタルズの注意点は引き続き取り上げていきますので、参考にして下さい。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。