ゴールデンウィークは例年になく厳しい市況環境が渦巻きましたね。ギリシャ動向や、この中での耐性通貨については会員向けレポート『為替ばんざい』の中で解説していますので、弊社会員の皆様はそちらをご覧ください。
多くの日本人投資家にとって愛着のある豪ドルの失墜は、特にインパクトある動きでした。1日にRBAが発表した利下げ幅は0・50%と、アナリスト予想を上回る大きな下げ幅となり、豪ドルは83円台から82円割れまで値を消し、一旦は戻しましたが、その後は世界経済の悪化懸念を背景に売りが進み、現在80円台半ばまで続落しました。
これまではこういう局面でもいち早く買いが入って金利差を強みに反転の動きを見せる通貨でしたが、利下げに加えて8日にスワン財務相が「財政収支黒字化は豪経済が低インフレにある中で、RBAに利下げ余地を与える」と言及し、追加利下げ期待を明確にしたことで一層地合いが売りやすいものになっています。
0・50%という利下げ幅は非常に大きいものですから、見方は真っ二つ。強力な措置で対応して、しばらく静観するのでは?というものと、ここから利下げ真っ逆さまなのでは?という悲観論です。
豪株式市場を見てみると、4月末には年初来高値まで続伸し、現在は一服ですが、2011年10月の安値から結んだトレンドラインにちょうど安値がぶつかったところあたりで、さほど悲観する動きではありません。その点からは悲観していませんが、資源市況の崩れが進むようだと、一段の措置もあり得るかも。その点を見極めてまたコメントしていきます。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。